ART
大山エンリコイサム、過去最大の個展をNYで開催中。
September 21, 2019 | Art | casabrutus.com | photo_Jeffery Sturges text_Mika Yoshida & David G. Imber
場所はマンハッタン中心部にあるオフィスビル。ペインティングが建物の外や内側、そのさらに奥へと連なる展覧会がいま話題となっている。アーティスト、大山エンリコイサムの『インサイド・アウト』展とは。
エアロゾル・ライティング文化の視覚表現を翻案したモチーフ「クイックターン・ストラクチャー」をベースに、壁画やペインティング作品を発表し続けるアーティスト、大山エンリコイサム。過去最大規模となる個展『インサイド・アウト』は、建物の「外」からすでに始まっている。
ロックフェラーセンターから、徒歩わずか30秒。NYの喧噪がカオス状に渦巻くオフィス街、とあるビルの公共プラザにドーンと出現するのは、パワフルなイメージを施した巨大なオブジェ6体だ。よく見れば、土台となっているのはビルの「柱」。ファサードに元から備わるステンレス製の柱が、大山のアイコニックなモチーフによってパブリックアートへと昇華しているのである。
ファサードに近寄ってみると、ガラス扉の奥にダイナミックな絵画が見て取れる。足を踏み入れると、レセプションロビーの壁に、幅およそ20メートルもの作品がパノラマのように続いている。大山にとって過去最大の絵画作品《FFIGURATI #253》だ。
面白いことにこのロビーは、48丁目と49丁目との間を通り抜ける「抜け道」でもある。半分パブリックなこの空間を、ビルで働くオフィスワーカーや、次の目的地へと急ぐ旅行者が行き交い、大山の作品に偶然出会うというわけだ。
面白いことにこのロビーは、48丁目と49丁目との間を通り抜ける「抜け道」でもある。半分パブリックなこの空間を、ビルで働くオフィスワーカーや、次の目的地へと急ぐ旅行者が行き交い、大山の作品に偶然出会うというわけだ。
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