世界一の魚をいただく〈サンプリシテ〉。|寺尾妙子のNEWSなレストラン | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

世界一の魚をいただく〈サンプリシテ〉。|寺尾妙子のNEWSなレストラン

世界一の魚を使った、めくるめく魚フレンチでブレイクの予感!?

とびっきりおいしい魚が食べたくなったら、「寿司か和食」。そんな選択肢にフレンチレストランが加わった。〈Simplicité(サンプリシテ)〉のおまかせコースは魚尽くし。しかも、登場する魚はどれも寿司の一流店をも凌ぐクオリティだ。

「魚の仕入れには特にこだわっています。たとえば、長崎・五島列島にある〈林鮮魚店〉は世界一の活〆の技術をもっていますから。魚の活〆は日本が誇る技術として、フランスなど海外にも広まりましたが、林鮮魚店は魚体の大きなものなら、銛(もり)で突いて、海の中で血抜きして処理をする海中放血神経〆を開発。これは難易度が高くて、ここにしかない技術です。魚が最高の状態で熟成するので、旨みのレベルが違います」

熱く語るオーナーシェフ、相原薫が繰り出す魚コースの一品め「サワラ」と名付けられたアミューズは真っ黒なコーン入り。一体、サワラはどうなっているのか?
料理はすべて13,000円コースより。アミューズ「サワラ」。黒いコーンは竹炭入り。
カリッとしたコーンにかぶりつくと、菊芋のムースで和えたサワラが。小さく刻まれながらもビビッドに持ち味を主張してくる。

「僕、明石の魚が大好きで、このサワラも明石産です。冷蔵庫に入れて1度で7日間、寝かせてから燻製をかけて、旨みがピークにくる8〜9日目にお客さまに出しています」

相原薫は、フランスやスイスの星付き店などを経て、〈銀座レカン〉でスーシェフ、〈レヴェランス〉〈ヴァリノール〉でシェフを務め、今年の1月2日に独立した。

「肉料理も大好きなので、予約時にメインを肉か魚か選んでもらえるようにもしています。ただ、気がついたらお客さまから魚料理を褒められることが多くなって、いっそ、魚尽くしにしてしまおうと」
白い冷気をまとった「牡丹と薔薇」。島根・奥出雲産オーガニックのバラを液体窒素で調理したものと、砂糖漬けのフレークとをトッピング。
スペシャリテ「牡丹と薔薇」の仕上げは目の前で。−196度の液体窒素でパリッとさせたバラの花びらをトッピングする。

「牡丹海老はレカン時代からお世話になっている函館の魚屋さんから送ってもらっています。塩をしてから真空状態で2日間、寝かせると身がねっとりするんです」

艶やかなバラの香りと海老の頭でとったコンソメのジュレ、頭のミソの旨みが渾然一体となった、華やかなひと皿だ。
「明石ウマヅラハギ」。ウマヅラハギはカワハギによく似た白身。乾燥マッシュルームやシブレットと合わせて。
「明石ウマヅラハギ」はシェフが尊敬する先輩、元〈銀座レカン〉シェフ、高良康之へのオマージュ的ひと皿だ。高良さんがフグでつくっていたメニューを素材を変えて表現。寿司店でつまみに出てくるカワハギの肝和え的な一品がフランス産青カビチーズ、フルムダンベールを加えることでフレンチに変身。