江戸料理を代表する、ねぎま鍋専門店〈ねぎま〉|寺尾妙子のNEWSなレストラン | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

江戸料理を代表する、ねぎま鍋専門店〈ねぎま〉|寺尾妙子のNEWSなレストラン

マグロの大トロをたっぷりのだしでいただく「ねぎま鍋」は江戸料理を代表する料理のひとつ。小料理屋で女将の極上のおもてなしとともに。

まるでドラマに出てくるような小料理屋〈ねぎま〉。小料理屋といえば常連率が高そうで、ある意味、料亭やフレンチのグランメゾンよりも敷居が高く思える。でも、2017年夏に北池袋に開店した〈ねぎま〉なら大丈夫。初めてのゲストでも女将、長橋公代さんがやさしい笑顔で迎えてくれる。
女将、長橋公代さん。2017年8月に〈ねぎま〉オープン。
ねぎま鍋とはその名の通り、ねぎとマグロをともに煮たもの。今では考えられないが、江戸時代には「脂っこくていただけない」という理由で捨てられていたマグロの大トロをさっぱりと食べられるようにと、当時の下町の人々が考案した江戸料理だ。
料理は「ねぎま鍋と燻製付のコース」4,300円より(写真は2人前)。ねぎま鍋の具はバチマグロの大トロ、長ネギ、ワカメ、セリ。夏はセリが水菜や壬生菜などに変わる。
料理長も兼任する長橋さん2017年5月末、創業80年という歴史の幕を閉じた江戸料理の名店〈なべ家〉の出身。確かに、ねぎま鍋や玉子焼きなど〈なべ家〉そっくりの味だ。ところが、長橋さんは厨房では働いたことがないという。

「9年間、仲居で、最後は仲居頭を務めさせていただいていたんです。でも、いつか自分でねぎま鍋のお店を出しいという思いがあったので、旦那さん(元〈なべ家〉主人、福田浩さん)がお客さまにする説明を覚えて、家で何度も試作して、味を近づけていったんです」

店を出すにあたっては旦那さん夫婦も協力してくれた。

「使うマグロをバチマグロに決めたのも旦那さんなんです。一緒に本マグロをはじめ、数種類のマグロを試した結果、火をしっかり入れた時にくさみが出ず、味わいがあることが決め手になりました」
大きめに砕いた黒胡椒が大トロの風味を引き立てる。