カウンター9席のフレンチ居酒屋〈BOLT〉。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

カウンター9席のフレンチ居酒屋〈BOLT〉。

フランスの星付き、そして赤坂の居酒屋で修業したシェフが、仔羊の煮込みにサワーを合わせた後、〆のチャーハンもOKなフレンチ居酒屋をオープンさせた。

「ラムシャンクブレゼ」2,800円と安井酒造「白岳仙のひやおろし2016」800円は、目からウロコのマッチング! 器は村田森。
オーナーシェフ、仲田高広の師匠は肉の巨匠〈マルディグラ〉和知徹や郷土料理の達人〈レスプリ・ミタニ・アゲタリ〉三谷青吾。さらにブルゴーニュにある2ツ星〈マドレーヌ〉併設のビストロでシェフをしていたという。

それなのに〈BOLT〉には「あ、ごはんに合う!」という料理が多い。仔羊のスネ肉を赤ワインで1日マリネし、フォン・ド・ヴォー(仔牛の出汁)、ジュ・ダニョー(仔羊の出汁)などで煮込んだ、いかにもフランス的な一品なのになぜなのか。そして、その旨みの深いこと!
「いくらのゲヴェルツマリネ セルベルド カニュ 吉田パン」1,800円。京都〈吉田パン〉のハードタイプのカンパーニュにフレッシュハーブを混ぜたフロマージュブランを塗り、イクラをどっさり。
「仔羊の煮込みはうちの看板メニュー。実は鰻のタレみたいに、前回つくったときの煮汁を加えて、また新たにつくって、というのを繰り返しているのでコクがどんどん深まっていくんです」

ピリッと辛いのは?

「黒胡椒と一緒に京都の黒七味を加えているので、その点もごはんに合うポイントなのかもしれません」

もちろん赤ワインにも、そして、仲田曰く「ベルギーの白ビール、ヒューガルテンみたいにオレンジピールやコリアンダーみたいなニュアンスがある」福井の日本酒やサワーとの相性もいい。
カウンター9席を仲田ひとりで仕切る。
ここにいると、料理と酒のマリアージュを含む、さまざまな ‘常識’ が覆る。それが楽しい。通常、「魚卵はどうしても後味が生臭くなるため、どんなワインにも合わせにくい」といわれている。だが、こちらのイクラは白ワインと抜群の相性を見せる。

「イクラを薄口醤油を加えたアルザスの白ワイン、ゲヴェルツトラミネールで漬けているからなんです。これ、焼酎にも合うんですよ」

そして、もちろん、ごはんにも合う。だんだん、仲田をシェフというより、大将と呼びたくなってくる。
「ごぼうとロニョン・ド・ヴォーの温きんぴら」1,800円は辻村塊の器で。カソナード(フランスのキビ砂糖)とお酢を合わせ、ガストリックというフレンチのつや出しの技法を用いてキャラメリゼ。そこにフランスでは広く親しまれるロニョン・ド・ヴォー(仔牛の腎臓)とゴボウを投入し、赤ワインと醤油で炒め煮に。しばらく置いて味を染み込ませ、オーダー後、コニャックでフランベし、味を整える。調理法を聞くと、かなりフレンチ度が高いが、これまたごはんにも日本酒にも合うテイストに仕上がっている。

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