“究極のワンアイテム”が相乗するコンセプチュアルレストラン〈OUT〉。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

“究極のワンアイテム”が相乗するコンセプチュアルレストラン〈OUT〉。

レストランは単に美食を求めて行くところではなくなったようです。最新のレストランが提供するのは、今まで味わったことのない空間体験。このコラムでは東京に次々と誕生している「デザインのいいレストラン」を厳選し、ご紹介していきます。今回は小坂竜がデザイン監修を手掛けた〈OUT〉をご紹介。7月1日にオープンしたばかりの新店はミニマムな空間もさることながら、ワン&オンリーの美食体験ができるコンセプチュアルレストランとして話題です。

小空間を無駄なく使うため、そして〈OUT〉の「U」にかけて、店の中央のカウンターはU字型に。向かって右手に飾られているのが、プレイ中のレッド・ツェッペリンのレコードジャケット。
食券の自動販売機もグッドデザイン。「クレジットカード」チケットを購入してスタッフに渡すと、クレジットでの支払いも可能。ロゴは〈Eat Creative〉が手掛けた。
店はフレンチやイタリアンの名店が並ぶ青学西門通りから渋谷方面へ通りを一本入った角地。2階を見上げるとピンク色の〈OUT〉のネオンサインが暗闇に浮かび上がる。
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州ブレードウッド産の黒トリュフ。大きく、香りの豊かなものを厳選して仕入れる。ほかフランス産、イタリア産など、季節ごとにベストの産地のものをセレクト。
1卓3名までのテーブル席も。グラスはドイツ〈ツヴィーゼル〉社製、カトラリーはデンマークの新しいカトラリーブランド〈ICHI〉の重量感あるものをセレクト。
オーナーは3人のオーストラリア人。メルボルンで複数の人気レストランを経営するデビッド・マッキントッシュ、世界的ゲーム開発会社タンタラスのCEOであり、起業家、作家でもあるトム・クレイゴ、そしてトムの妹でフードコンサルタントとして活躍するセーラ・クレイゴ。海外発の人気ブランドの相次ぐ上陸が東京のフードシーンを賑わすようになって久しいが、こちらはオーストラリア人だけのオーナーチームが東京で初めて展開するまったく新しいプロジェクトである。注目すべきは、その事実だけにとどまらない。

〈OUT〉には、いわゆるメニューブックは存在しない。入口にある食券販売機でチケットを買って、カウンターへと進むスタイルだ。料理は、季節ごとにベストの産地を選んで取り寄せる、新鮮なトリュフを贅沢に削った自家製のフレッシュパスタ1品のみ。ワインはそのシーズンのパスタの香りを引き立てるリッチな赤ワイン1アイテムをグラスか、あるいはボトルで。BGMはレッド・ツェッペリンのみ。「One dish. One wine. One artist.(ひとつの料理、ひとつのワイン、ひとつの音楽)」を標榜するユニークなコンセプチュアルレストランだ。セーラ・クレイゴ自らカウンターに立ち、店を切り盛りすることからも、この店への思い入れが見て取れる。
トリュフを使ったフレッシュパスタ2,900円(パスタ150g、トリュフ5g)。イタリア産のオーガニック小麦粉と山梨県の契約農家から届く卵で作られたパスタに、北海道産バターとトリュフの産地に合わせた上質なオリーブオイルのみを絡め、最後にシーズンベストのトリュフを削りかけて仕上げる。このパスタと赤ワインとのベストマッチを楽しめるセットは4,000円。パスタは600円(150g)、トリュフは1,500円(3g)で追加もできる。皿は〈ユミコ イイホシ ポーセリン〉の「ReIRABO(リイラボ)」シリーズ。
トリュフはゲストの目の前で、セーラやスタッフが削る。セーラのネイルカラーもネオンと合わせたピンク色。店中が常にトリュフの芳しい香りでいっぱいだ。

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