モダン・ヴェネツィア料理を東京・八丁堀〈ステッソ エ マガーリ シック〉で。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

モダン・ヴェネツィア料理を東京・八丁堀〈ステッソ エ マガーリ シック〉で。

日本のイタリア料理界はまだまだ各地の郷土料理を再現する店がメインストリーム。そこから一歩進んだモダン・ヴェネツィア料理は、かなり貴重である。

料理はすべて8,000円コースより。「ボタン海老とサルシッチャ ピカンテとアメーラのトマトソース 自家製タリアテッレ」。北イタリアではクリームをよく使うが、あえて使っていない。トマトとオリーブオイルで乳化させて、クリーミーかつ軽やかに仕上げている。
アミューズ「野菜のコンポジッツィオーネ」。左がケールのピュレを混ぜて焼いた生地で那須高原の野菜を詰めたカンノーリ。右がピリッと辛いナスタチウムの葉を浮かべたパセリのスープ。
風味のよい長野産仔羊を使った「仔羊のグリリア」。北イタリア好みのグリーンペッパーのペースト、仔羊のジュ(だし)のソースを添えて。
テーブル12席。イタリア語で「Stesso」は「同じ」、「Magari」は意訳すれば「あったらいいな」。店名には「シック(プッテートル)と同じ場所、同じ常連さんで、シックらしさがあったらいいな」という意味が込められている。
料理はすべて8,000円コースより。「ボタン海老とサルシッチャ ピカンテとアメーラのトマトソース 自家製タリアテッレ」。北イタリアではクリームをよく使うが、あえて使っていない。トマトとオリーブオイルで乳化させて、クリーミーかつ軽やかに仕上げている。
アミューズ「野菜のコンポジッツィオーネ」。左がケールのピュレを混ぜて焼いた生地で那須高原の野菜を詰めたカンノーリ。右がピリッと辛いナスタチウムの葉を浮かべたパセリのスープ。
風味のよい長野産仔羊を使った「仔羊のグリリア」。北イタリア好みのグリーンペッパーのペースト、仔羊のジュ(だし)のソースを添えて。
テーブル12席。イタリア語で「Stesso」は「同じ」、「Magari」は意訳すれば「あったらいいな」。店名には「シック(プッテートル)と同じ場所、同じ常連さんで、シックらしさがあったらいいな」という意味が込められている。
東京・八丁堀の静かな通りに面した場所、店名に潜む「CHIC(シック)」の文字。ドアを開ければ、オーナーの星壽仁の笑顔。そう、フレンチ好きなら意外に思うかもしれない。2012年にオープンするやとブレイクした〈CHIC peut-etre(シック プッテートル)〉の跡地。シェフであった生井祐介が独立し、イタリアンの料理人、石濵一則が加わることになり、2017年春、イタリア料理店としてリニューアルオープンした。
シェフの石濵一則(左)とオーナー、星壽仁。
ビストロテイストの店内もオーナーの星もそのままだが、料理がイタリアンになったことで店名も変更し、新たなスタートを切ったという。

「実はフランス料理に関わったのは〈シック プッテートル〉の5年間だけ。19歳から15年間ずっと、イタリア料理店のサービスマンをしていたのです」(星)

料理の説明も流暢な理由がわかる。サービスが星、料理は石濵の2人だけの店だが、コースを主とした料理もワインもスムーズにサーブされる。そんなこなれた感じが心地よい。
アミューズ「野菜のコンポジッツィオーネ」。左がケールのピュレを混ぜて焼いた生地で那須高原の野菜を詰めたカンノーリ。右がピリッと辛いナスタチウムの葉を浮かべたパセリのスープ。
料理は主に北イタリア系。特にシェフの修業先のひとつであるヴェネツィアのテイストを色濃くしている。

「栃木・那須や静岡・伊豆などにあるリストランテでずっと働いていたのですが、震災後に修業に行ったヴェネツィアの店はとても庶民的だったんです。それもバッカラ(干鱈)専門店という非常に特殊なところでした。でも、すごくおいしいんですよ。干鱈の舌のトマト煮込みや肺をニンニクとパセリで炒めたものとか」

石濵が楽しそうに語るバッカラの話を聞いているだけで、お腹が空いてくる。バッカラはヨーロッパではポピュラーな食材でも日本ではあまり馴染みがないため、現在のところはパンに添えるスプレッドとしてオリーブオイルと塩を合わせたペースト状の「バッカラ マンテカート」を出すのみ。これがワインと抜群の相性だ。