野村友里 春夏秋冬 おいしい手帖|おでん | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

野村友里 春夏秋冬 おいしい手帖|おでん

本誌連載、人気フードディレクター・野村友里さんの『春夏秋冬 おいしい手帖』と連動した動画です。旬の食材を使った母親から受け継いだ和食のレシピをアーカイブしていきます。

おでんのルーツは古く、発祥は平安時代、豆腐に竹串を打って焼いた豆腐田楽。そこから味噌田楽などを経て明治時代には汁がたっぷりの今のおでんに近いものになりました。昭和には練り物や揚げ物も加わって一層美味しさを増したおでんは、煮込むだけという手軽さや串に刺してすぐに食べられる独特の楽しさから、屋台や居酒屋でも庶民の味として広がったと言われています。

私は京都の〈おいと〉でいただいたおでんで、おでんの認識が変わりました。庶民の気軽な料理から、それはまるで完成度の高い一品料理。中でも、大根の牛スジ煮込みの美味しさには感服しました。たくさんの食材から旨みがでた出汁をたっぷり含みやわらかくなった大根と、牛スジの組み合わせは、本当に絶品。ぜひチャレンジしていただきたいです。

今月のポイント
大根を煮るときには、一度煮含めて、 煮汁につけたまま冷ましてからもう一度火を入れると、味がなじみやすくなります。

おでん(作りやすい分量)

大根......1本(米のとぎ汁 適宜)
こんにゃく(一口大にちぎり、下ゆでする)......1枚
じゃがいも(皮をむく)......3個
玉ねぎ......1個
ゆで卵......4個

【牛すじの煮込み】
牛すじ肉......600g
塩......ひとつまみ
醤油......大さじ3
酒......50ml
砂糖......大さじ2
みりん......大さじ1
にんにく...... 1かけ
昆布......5cm角1枚

【がんもどき】
木綿豆腐......1丁
大和芋......30〜40g
溶き卵......1/2個
片栗粉......大さじ1
砂糖......少々
塩......小さじ1/4
薄口醤油、みりん……各大さじ1
銀杏(殻と薄皮を除く)……7〜8個
昆布のだしがら(細切り)……15g
茹でた蛸の足(細かい乱切り)……1本分
揚げ油……適宜

【煮汁】
だし汁......2l
醤油......100ml
みりん......50ml

作り方

1. 牛すじの煮込みを作る。牛すじ肉は、汚れなどを洗い流し、塩を入れた沸騰湯で下ゆでする。あくを除きながら中火で15分ほどゆでこぼし、さらに新しい沸騰湯をひたひたに加えて中火にかけ、醤油、酒、砂糖、みりん、にんにく(丸ごと)、昆布を加え、やわらかくなるまで煮る(すじが大きい部分は、取り出して別で煮込むと煮崩れしない)。煮汁につけたまま味をなじませ、竹串に刺す。

2. 大根は、約4cm厚さの輪切りにし(または、約5cm長さ、縦4〜5等分に切り)、皮をむいて面取りする。米のとぎ汁で竹串がすっと通るまで中火で下ゆでする。

3. 大きめの鍋にだし汁と玉ねぎを丸ごと入れて弱火にかけ、沸騰したら醤油、みりんで味を調え、2の大根、こんにゃく、じゃがいも、ゆで卵を加えて、弱火で具材の中に火が通るまでゆっくりと煮て、鍋ごと冷ます。

4. がんもどきを作る。豆腐は、しっかりと水切りし、裏ごしする。大和芋はすりおろす。ボウルに油以外のすべての材料を入れ、手で混ぜ合わせて、直径5cmほどに丸める。180℃の油で色よく揚げる。

5. 3の鍋を再び火にかけ、1の牛すじの煮込み(昆布は洗って結び、一緒に加える)、4を加えて全体を温める。

今月の甘味:亥の子餅
亥の月(旧暦10月)に子孫繁栄・無病息災を願って食べられるお餅。あんこと羽二重餅で作ったお餅の表面に焼きごてをあて、猪に似せた色、模様をつける。

野村友里

フードディレクター。フードクリエイティブチーム「eatrip」を主宰。長年おもてなし教室を開いていた母の影響で料理の道へ。公式サイト

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