FOOD
〈茶方會(さぼえ)〉で日本茶をもっと自由に。
June 11, 2021 | Food, Design | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Kanae Hasegawa editor_Rie Nishikawa
新茶がぞくぞくと出回るこの季節。茶を通じて世界とつながり、茶の発展に貢献していくことを目的に設立された〈茶方會〉の草司、櫻井真也さんにバラエティー豊かな茶葉の愉しみ方を聞きました。
「伝統は大切ですが、日本茶のもつ枠組みをもっと広げ、茶の味わいの多様さを発見することで茶を飲むことの愉しさを見つけてほしい。継承するだけでなく、自由な飲み方の提案も大切だと思っています」と櫻井真也さん。
日本茶と言ってもその世界は広く、新しい品種の栽培が進み、多様な茶葉が登場している。緑茶だけでも25以上の品種が栽培され、ワインやコーヒー豆と同様に、産地や製法の違いによって茶葉の味わいは変わる。
〈茶方會〉では長い年月の中で発展してきた茶の湯の伝統に敬意を払いつつ、現代らしい新たな喫茶の様式を創造し、〈HIGASIHYA〉や〈櫻井焙茶研究所〉という場を通して、新たな茶のあり方を提案している。
日本茶と言ってもその世界は広く、新しい品種の栽培が進み、多様な茶葉が登場している。緑茶だけでも25以上の品種が栽培され、ワインやコーヒー豆と同様に、産地や製法の違いによって茶葉の味わいは変わる。
〈茶方會〉では長い年月の中で発展してきた茶の湯の伝統に敬意を払いつつ、現代らしい新たな喫茶の様式を創造し、〈HIGASIHYA〉や〈櫻井焙茶研究所〉という場を通して、新たな茶のあり方を提案している。
〈茶方會〉の大きな特徴は扱う茶葉の豊富さだろう。緑茶だけでも九州から東北まで、各地の茶葉を取り揃え、緑茶の世界のもつ奥深さを感じさせてくれる。
「新茶は旨味成分であるテアニンが豊富。その旨味を存分に味わっていただくために、一煎目は水出しで。二煎目はお湯で淹れて、新茶ならではの香りを引き立てて渋みの効いた深みのあるお味わいになります。茶の色合いにも注目してほしい」(櫻井)
「新茶は旨味成分であるテアニンが豊富。その旨味を存分に味わっていただくために、一煎目は水出しで。二煎目はお湯で淹れて、新茶ならではの香りを引き立てて渋みの効いた深みのあるお味わいになります。茶の色合いにも注目してほしい」(櫻井)
とりわけ独創的なのは、産地や品種の違いのみならず、煎茶と紅茶など製法の異なる茶葉も組み合わせて作る「合茶」の数々だ。ハーブやフルーツのブレンドはよくあるが、自由な発想で茶葉を組み合わせるのは先鋭的といえる。
「茶の味わいを旨味、渋み、香り、さわやかさの4つの指標で表現します。それらがバランスよく含まれているとおいしいと感じるのですが、足りない部分を補うように茶葉を組み合わせることで、豊かな味わいを生み出すことができます。現代においても、おいしいと感じる茶を出すこと、そのために既存の枠組みに捉われない、自由な茶の愉しみ方を提案していきたいと思います」(櫻井)
「茶の味わいを旨味、渋み、香り、さわやかさの4つの指標で表現します。それらがバランスよく含まれているとおいしいと感じるのですが、足りない部分を補うように茶葉を組み合わせることで、豊かな味わいを生み出すことができます。現代においても、おいしいと感じる茶を出すこと、そのために既存の枠組みに捉われない、自由な茶の愉しみ方を提案していきたいと思います」(櫻井)
それぞれの茶の味わいを引き立たせるためにオリジナルの急須、湯呑、グラスなどの道具を開発してきた。
「まずは急須と湯呑から始めてください。僕も自宅では、湯吞を柄杓と湯冷まし代わりに使っています。器自体も温めることができますし、そうして冷ましたお湯を急須に入れる。それだけでもおいしい茶を淹れることができます」(櫻井)
と毎日、気軽に飲むための極意は道具と使い方にありそう。朝に覚醒する熱いお茶を、逆に低温ではカフェイン成分が出にくいので、リラックス効果が期待できる水出し茶を就寝前に、というようにシーンに合わせて茶を暮らしに取り入れるのはどうでしょう?
「まずは急須と湯呑から始めてください。僕も自宅では、湯吞を柄杓と湯冷まし代わりに使っています。器自体も温めることができますし、そうして冷ましたお湯を急須に入れる。それだけでもおいしい茶を淹れることができます」(櫻井)
と毎日、気軽に飲むための極意は道具と使い方にありそう。朝に覚醒する熱いお茶を、逆に低温ではカフェイン成分が出にくいので、リラックス効果が期待できる水出し茶を就寝前に、というようにシーンに合わせて茶を暮らしに取り入れるのはどうでしょう?