熱海 No.1 フレンチ〈ル・プルースト ミウラ〉|寺尾妙子のNEWSなレストラン | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

熱海 No.1 フレンチ〈ル・プルースト ミウラ〉|寺尾妙子のNEWSなレストラン

レストラン不毛の地、静岡・熱海にクリエイティブなフレンチ〈ル・プルースト ミウラ〉がオープンした。

クヌギマスとマスの卵を使った「本日の魚介のアソルティ カリフラワーのエクラゼとコンソメのジュレ」昼コース4,500円〜(以下、税別)より。サッと炙った赤海老、塩茹でにした赤貝を鶏コンソメのジュレ、タプナードや生クリームと和えたカリフラワーと合わせた前菜。
「栄螺のエスカルゴバターソース 丸茄子のソテー」昼4,500円〜のコースより。地元の伊東港で獲れたサザエが主役。身は3時間かけて、やわらかく火を入れ、エスカルゴバターソースを絡め、肝はフリットに。甘くジューシーな丸茄子にも感動!
一軒家の隠れ家フレンチ〈Le Proust Miura(ル・プルースト ミウラ)〉は、間違いなく熱海No.1のフレンチレストランだ。相模湾で獲れる新鮮な海の幸や三島の有機野菜などがオーナーシェフ、三浦賢也によって洗練された一品に仕上げられる。

前菜から素材のよさ、それを引き出す絶妙なテクニックに唸らされる。軽く燻製をかけた静岡・富士市産のクヌギマスのしっとりした質感と清らかなテイストもさることながら、イクラのようなマスの卵の自然な甘み、そして弾力に圧倒される。

「卵は新鮮だから、落ちるとバウンドするくらい元気がいいんですよ。これは醤油漬けにしました。フランス料理では醤油を使わない方針のシェフもたくさんいますが、僕はそこにはこだわっていません。イクラと一緒で、マスの卵だって醤油漬けが一番うまいと信じていますから」(三浦)。

確かに、そこに鶏コンソメのジュレを組み合わせれば、完全にフレンチ。そのバランスが絶妙なのだ。
「モダイのポワレ シラスと葱のガレット アサリ出汁とサフランのソース」昼6,800円のコースより。モダイは「平鯛」を指す伊豆地方の方言。焼き上がった身はふっくら。長芋入りのガレットも美味。
「さがみ三元豚のロティ ジャガイモとヘーゼルナッツ 柚子こしょう風味のべアルネーズ」昼4,500円〜のコースより。豚の脂の自然な甘みに柚子胡椒の辛みがマッチ。下には、富士宮〈ナチュラルファーム アタボ〉のシャドウクイーンという紫色のジャガイモをヘーゼルナッツやハーブと合わせたものが。
「和栗のモンブラン バナナとパッションフルーツのパルフェ」昼4,500円〜のコースより。ヘーゼルナッツやバナナ、パッションフルーツのスフレグラッセとマロンクリームの幸せな出会い。デザートも楽しみのひとつ。
料理はコースのみ。昼は4,500円〜、夜は12,000円〜で白トリュフなどを贅沢に使った20,000円のおまかせコースの用意もある。

伊東港で獲れたモダイ、駿河湾名物のシラスなどの魚介類に天城シャモや土地の猟師が仕留めた鹿などのジビエ、三島や富士宮の有機や自然志向の農場から届く野菜など、地元の食材のみならず、日本各地の上質な素材が豊かに盛り込んだコースは見た目も鮮やか。

「北海道の赤貝や千葉の自然派ファーム〈キレド〉の野菜など、よその産地のものも組み合わせることで、地元のお客さまにも楽しんでいただきたいんです」(三浦)。
オーナーシェフ、三浦賢也。1973年、北海道生まれ。〈丸の内 サンス・エ・サヴール〉〈レストランひらまつパリ店〉等で研鑽を積み、〈ブラッスリー ポールボキューズ大丸東京店〉〈THE HIRAMATSU HOTELS&RESORTS 熱海〉で料理長を務め、2020年9月に独立。
来宮駅よりタクシーで5分、熱海駅よりタクシーで15分。駐車場は台数に限りがあるので、利用する場合は予約時に確認を。
テーブル18席。
高台に位置。相模湾を望むテラス席。
「ある香り」に出会った瞬間、懐かしい情景を思い出すことをフランスの作家、マルセル・プルーストの作品「失われた時を求めて」にちなみ「プルースト現象」と呼ぶという。三浦が「それが一番うまいから」と、日本の食材や調味料を使ったコース料理には、日本人にとって、まさにプルースト現象が起こるスイッチがさまざまな形で埋め込まれている。

そんな“香り”に惹かれ、近い将来には、地元、遠方問わずゲストが殺到するはず。窓の外は青い海。毎月、移り変わる熱海の景色と食材の旬を味わいに来たい。

〈Le Proust Miura(ル・プルースト ミウラ)〉

静岡県熱海市西熱海町1-19-43 TEL 0557 52 4029。11時30分〜13時30分LO、18時〜19時30分LO。水曜休。料理はコースのみ。ランチ4,500円、6,800円、10,000円。ディナー12,000円、20,000円。ワインはグラス1,000円〜、ボトル6,000円〜。ワインペアリングはランチ4,000円〜(3グラス〜)、ディナー8,500円(以上、税別)。

寺尾妙子

てらおたえこ  食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。

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