料亭クオリティ! 国産リブロースの牛椀。|寺尾妙子のNEWSなレストラン | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

料亭クオリティ! 国産リブロースの牛椀。|寺尾妙子のNEWSなレストラン

名料亭〈東京𠮷兆〉主人、湯木俊治がプロデュースする牛丼、名付けて「牛椀」の専門店〈牛椀 紀尾井坂 銀座七丁目店〉が銀座にオープン。コンパクトかつ、ラグジュアリーなコンセプトが新鮮だ。

ひとつ、ひとつの具を料亭の技で仕上げた「特選牛椀」2,280円(以下、すべて税込)。
新橋花柳界にある〈東京𠮷兆〉本店は黒塀に囲まれた、ザ・料亭! 顧客はいわゆる旦那衆で芸者が呼べる座敷。当然のように完全紹介制だ。そんな敷居の高い店の主人、湯木俊治がプロデュースする牛丼専門店〈牛椀 紀尾井坂 銀座七丁目店〉が2018年10月にオープンした。手をかけ、暇をかけた牛丼が1,280円〜というリーズナブルな価格でいただける。これは事件である。
「特選牛椀セット」2,680円。ミニサラダ、本日のお惣菜、丸鶏の出汁をベースにした沢煮椀風のスープ、香の物付き。サラダや沢煮椀に用いられる、端正な野菜の千切りにも職人の包丁技が宿っている。
オープンキッチンのカウンターには白衣の料理長が立ち、着物姿の女性スタッフがサーブする店内は、まるきり割烹。ここで塗りの折敷にのって、うやうやしく登場するのが牛丼ならぬ「牛椀」なのだ。

「ワンランク上の牛丼」という意味を込めた「牛椀」。主役の牛肉は赤身とサシのバランスがよい国産牛のリブロースを使用。「特選牛椀」にはさらに肉の旨みが深く、やわらかい黒毛和牛A3ランクのリブロースが用いられる。肉は一枚の盤面が大きくなるように切り、薄味の割り下で調味。椎茸、玉ネギ、糸コンニャクといったほかの具は、各素材の味を際立たせるため、それぞれ別に煮るという仕事も料亭らしい。そんな具をツヤツヤのごはん、温泉卵と口に運べば、悶絶必至!
「ローストビーフ丼」は柚庵味噌ソース、山葵大根おろし添え。
「ローストビーフ丼」1,380円。単品の椀・丼にも沢煮椀スープと香の物が付く。好みで味噌ダレをかけても。
「ローストビーフ丼」は柚庵味噌ソース、山葵大根おろし添え。
「ローストビーフ丼」1,380円。単品の椀・丼にも沢煮椀スープと香の物が付く。好みで味噌ダレをかけても。
「ローストビーフ丼」は「牛椀」に次ぐ看板メニュー。こちらはあっさりした赤身のUSモモ肉を特製の味噌ダレに漬けてから、じっくりと火を入れ、薄切りにし、覆い尽くすようにごはんの上に。ワサビ入りの大根おろしを添えて、いただく。
左から、アボカドや鰹節と昆布出汁ベースの旨出汁ゼリーを添えた「湯葉旨煮」500円、フォアグラのテリーヌにポルト酒に醤油やみりんを加えたゼリーなどを重ねた「フォアグラ煮こごり」800円、糖度の高い静岡産アメーラトマトを使用した「トマトおでん」450円。和食にも合う赤ワイン「ジャパンプレミアム マスカット・ベリーA2016」750円。
夜は一品料理あり、コースありでワインや日本酒も楽しめる小料理屋に変身。「牛椀」「ローストビーフ丼」だけを、サッと食べて帰ってもよく、ちょこちょこつまんでから、夜限定のハーフサイズで締めるのもあり。ちなみに「お惣菜各種」は400円〜と、居酒屋並の価格設定。そう、ここは料亭のテイストを取り入れながらも、カジュアルに利用できる新感覚の「牛椀専門店」なのだ。

〈牛椀 紀尾井坂 銀座七丁目店〉

東京都中央区銀座7-13-2ティアラグレイス銀座タワー1F TEL 03 5565 8225。11時〜14時LO、17時〜22時30分LO。日曜休。牛椀1,280円〜、惣菜400円〜、主菜880円〜。夜コース6,480円〜。グラスワイン750円、ボトル4,200円〜。日本酒1合700円(以上、税込)。

寺尾妙子

てらおたえこ  食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。