ロエベ クラフト プライズ、今年の受賞作が決定! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ロエベ クラフト プライズ、今年の受賞作が決定!

『カーサ ブルータス』2018年7月号より

各種の文化活動をサポートしてきたロエベ財団によって、2017年に創設された「ロエベ クラフト プライズ」。その第2回の最終候補作品と受賞作品が発表になった。

展覧会はロンドンのデザインミュージムで6月17日まで開催。
マドリッドの小さなレザー工房からスタートした老舗ブランド〈ロエベ〉。その172年にわたる歴史を未来につなごうと、昨年創設されたのが〈ロエベ クラフト プライズ〉だ。無類のクラフト好きというクリエイティブ ディレクター、ジョナサン・アンダーソンの熱き想いを発端に、伝統を継承しながら、芸術性の高い革新的なクラフトを発掘し、また奨励していこうという趣向である。その2回目となる今回、公募エントリーは86か国から2000作近くあったとか。そこからセレクトされた最終候補30作の中から、5月3日に受賞作が発表になった。
Takuro Kuwata【Japan】Tea Bowl (2017)  桑田卓郎 岐阜県在住の陶芸作家。茶陶文化を踏襲しながら陶土と釉薬を自在に使い、大胆なフォルムや色彩を表現。今作では釉薬にプラチナやスチールを使用。特別賞を受賞。
Shohei Yokoyama【Japan】Sei Wo Haramu (2017) 横山翔平 富山県在住のガラス作家。息を吹き込むことで成形するガラスを、生命力を宿すものとして作品を制作。「静を孕む」という作品名のように、静と動が感じられる。
Arko【Japan】Third Time Rainfall (2017) ARKO 東京在住の工芸作家。以前は生活に欠かせなかった稲藁を使い、キャンバスに縫製する手法で作られた壁掛け。大量生産や人工素材に疑問を呈す、自然や伝統への讃歌でもある。
Ryuhei Sako【Japan】Mokume-gane Vase (2017) 佐故龍平 岡山在住の金属工芸作家。杢目金という江戸時代に考案された伝統技法を使いながら現代的なデザインの花瓶。銀、銅、赤銅、黒味銅など26層を重ねて制作された。
Takuro Kuwata【Japan】Tea Bowl (2017)  桑田卓郎 岐阜県在住の陶芸作家。茶陶文化を踏襲しながら陶土と釉薬を自在に使い、大胆なフォルムや色彩を表現。今作では釉薬にプラチナやスチールを使用。特別賞を受賞。
Shohei Yokoyama【Japan】Sei Wo Haramu (2017) 横山翔平 富山県在住のガラス作家。息を吹き込むことで成形するガラスを、生命力を宿すものとして作品を制作。「静を孕む」という作品名のように、静と動が感じられる。
Arko【Japan】Third Time Rainfall (2017) ARKO 東京在住の工芸作家。以前は生活に欠かせなかった稲藁を使い、キャンバスに縫製する手法で作られた壁掛け。大量生産や人工素材に疑問を呈す、自然や伝統への讃歌でもある。
Ryuhei Sako【Japan】Mokume-gane Vase (2017) 佐故龍平 岡山在住の金属工芸作家。杢目金という江戸時代に考案された伝統技法を使いながら現代的なデザインの花瓶。銀、銅、赤銅、黒味銅など26層を重ねて制作された。
最終候補作の展示と審査、授賞式は、ロンドンのデザインミュージアムが主催。日本からは、陶、ガラス、金属、藁、と各タイプの5作品がセレクトされている。「伝統を引き継ぎながら、新しい表現や技術に挑む日本の作家への評価はとても高かったです。これを機に日本の工芸とその多様性にさらに注目が集まるでしょう」。審査員を務めたデザイナーの喜多俊之も、誇らしげに語っている。
Jennifer Lee【U.K】Fading Elipse, Shadowed Traces (2017) ジェニファー・リー イギリスの陶芸作家。古代からある手びねりの手法で成形。所々に金属を混ぜて酸化させた陶土を帯状に挿入し、独特の柄や風合いを生み出す。大賞を受賞。
最終審査の結果、大賞は陶芸作家のジェニファー・リーが受賞。陶芸作家の桑田卓郎、テキスタイル・アーティストのシモーヌ・フェルパンにも特別賞が贈られた。「陶芸作品が2つ受賞しましたが、リーの作品がクラシックで静であるのに対し、桑田の作品はアバンギャルドで動、そのコントラストも、ロエベが目指すものと一致します」。アンダーソンも満足気に目を輝かせた。
 
大賞を獲得したリーの作品は、精巧で洗練された印象だが、その手法は極めて原始的だ。細く伸ばした陶土を輪積みしてならしながら、1か月ほどかけて作られている。縞状の柄は異なる陶土を入れ込んだ部分だ。「金属やミネラルの粉を土に練り込むと、酸化で微妙な色合いが生まれ、時とともに色が変化します。天然素材と時間が生み出す風合い、陶土の接続部の滲みなどの偶発性に魅せられ作陶を続けてきました」。受賞作の黒い点は、30年ほど前に練った土が成せる技だとか。それはまさに自然と人のコラボレーション。そしてクラフトの醍醐味である。
Simone Pheulpin【France】Croissance XL (2017) シモーヌ・フェルパン フランスのテキスタイル・アーティスト。かつてタイヤの芯に使われていた生成り綿布をテープ状にして、巻きながらピンで留めて制作。特別賞を受賞。
Chen Min【China】Hangzhou Stool (2017) チェン・ミン 中国の家具作家。竹の薄い合板を重ねてアーチ状にしたスツール。座ると座部が平たくなる。伝統と文化が息づく故郷杭州を名に冠し、フレキシブルさを表現した。
Joe Hogan【Ireland】Homage to Tree (2017) ジョー・ホーガン アイルランドのバスケット作家。嵐でなぎ倒された木の一部を中央に、それに沿ってウィロー(柳)を編み上げた作品。自然への想いを感じさせる素朴な佇まい。
Hae Cho Chung【South Korea】Five Color Vessels 0831 (2013) チョン・へジョ(鄭解朝) 韓国の漆作家。麻布を米糊で幾重かに貼り合わせたものに漆を塗り、鹿の角で磨いたもの。伝統工芸の技を使いながら、ポップでモダンな印象の作品。
Laurenz Stockner【Italy】Bowl Made of Copper (2012) ローレンツ・ストックナー イタリアの金属工芸作家。銅板を紙のように薄く延ばして作られたボウルで、息を吹きかけるだけでも、ゆらゆら揺れてゴムのように形が変化する。
Simone Pheulpin【France】Croissance XL (2017) シモーヌ・フェルパン フランスのテキスタイル・アーティスト。かつてタイヤの芯に使われていた生成り綿布をテープ状にして、巻きながらピンで留めて制作。特別賞を受賞。
Chen Min【China】Hangzhou Stool (2017) チェン・ミン 中国の家具作家。竹の薄い合板を重ねてアーチ状にしたスツール。座ると座部が平たくなる。伝統と文化が息づく故郷杭州を名に冠し、フレキシブルさを表現した。
Joe Hogan【Ireland】Homage to Tree (2017) ジョー・ホーガン アイルランドのバスケット作家。嵐でなぎ倒された木の一部を中央に、それに沿ってウィロー(柳)を編み上げた作品。自然への想いを感じさせる素朴な佇まい。
Hae Cho Chung【South Korea】Five Color Vessels 0831 (2013) チョン・へジョ(鄭解朝) 韓国の漆作家。麻布を米糊で幾重かに貼り合わせたものに漆を塗り、鹿の角で磨いたもの。伝統工芸の技を使いながら、ポップでモダンな印象の作品。
Laurenz Stockner【Italy】Bowl Made of Copper (2012) ローレンツ・ストックナー イタリアの金属工芸作家。銅板を紙のように薄く延ばして作られたボウルで、息を吹きかけるだけでも、ゆらゆら揺れてゴムのように形が変化する。

京都の艸居で10月に個展を開催予定!

大賞の受賞者ジェニファー・リーを囲んだジョナサン・アンダーソンと女優のヘレン・ミレン。