色を“ハント”した江ノ電の新デザイン。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

色を“ハント”した江ノ電の新デザイン。

『カーサ ブルータス』2019年3月号より

観光でも人気の江ノ電に新車両が登場。そのデザインプロセスを聞きました。

ヘッドマークは「江ノ電」「絵はがき」を表す「e」に「サステイナブル」「サイクル」を意味する「c」を重ねている。
藤沢から鎌倉を結ぶ〈江ノ島電鉄〉。長さ10kmの短い路線ながら、沿線にはさまざまな観光スポットがあり、車窓から四季折々の景色が楽しめる人気鉄道だ。この江ノ電に昨年末、ニューフェイスが登場。デザインを手がけた藤原大は、地域の自然から生まれた色を獲ることから始めたという。

Q プロジェクトのきっかけは?

3年ほど前に〈江ノ島電鉄〉から、単なる移動手段ではなく、街の魅力を伝える電車を作りたいと話がありました。江ノ電は100年以上にわたって、湘南の海や歴史ある鎌倉など、絵になる風景の中を走り続けてきた電車です。その美しい沿線環境を伝える車両にしようと思いました。

Q デザインの手がかりは?

リサーチのために何度も江ノ電に乗っていると、車窓から江の島が見えるたびに乗客の歓声がひときわ大きくなることに気づきました。そこには自然界の循環で育まれた美しい森があります。それなら、島を中心とした沿線地域にあるリアルな緑色をハンティングして車両を彩ろうと思いました。
江の島の植物や街中で出会った緑をカラーハンティング。絵の具を使って同じ色を作り、短冊状のチップに記録している。
江の島の植物や街中で出会った緑をカラーハンティング。絵の具を使って同じ色を作り、短冊状のチップに記録している。
江の島の植物や街中で出会った緑をカラーハンティング。絵の具を使って同じ色を作り、短冊状のチップに記録している。
江の島の植物や街中で出会った緑をカラーハンティング。絵の具を使って同じ色を作り、短冊状のチップに記録している。
江の島の植物や街中で出会った緑をカラーハンティング。絵の具を使って同じ色を作り、短冊状のチップに記録している。
江の島の植物や街中で出会った緑をカラーハンティング。絵の具を使って同じ色を作り、短冊状のチップに記録している。
江の島の植物や街中で出会った緑をカラーハンティング。絵の具を使って同じ色を作り、短冊状のチップに記録している。
江の島の植物や街中で出会った緑をカラーハンティング。絵の具を使って同じ色を作り、短冊状のチップに記録している。
江の島の植物や街中で出会った緑をカラーハンティング。絵の具を使って同じ色を作り、短冊状のチップに記録している。
江の島の植物や街中で出会った緑をカラーハンティング。絵の具を使って同じ色を作り、短冊状のチップに記録している。
Q 藤原さんのデザイン手法の一つ“カラーハンティング”は、日常で見つけた色をその場で絵の具を調合して同じ色を作り出し、採取していくという方法ですね。

はい。今回は、江の島を中心にさまざまな場所を巡り、春から冬にかけて出会った色をハントしました。若葉や深緑、枯れた葉など一年のうちに色の移ろいがありますから2年かけて50以上の色を採取し、15色に絞ってボーダーとし、自然界の循環を表しました。この循環には地域経済の持続性という意味も込めています
目の前に広がる色をその場で調合しました。
Q 新車両に期待することは?

江ノ電は定番の撮影スポットが多くありますが、自分だけのお気に入りの風景を見つけてほしいですね。散策していく中で沿線地域の魅力も再発見してもらえたら。特に江の島は参詣・遊山の地としての歴史も深い。島がもつ魅力や文化は、モン・サン・ミッシェルにも負けてないですよ、多分。

江ノ電新車両

2018年末から、”絵はがきになる江ノ電へ”をサービスコンセプトにさまざまな取り組みを実施。その一環として、藤原大が外装デザインを手がける「情報発信トレイン」が昨年12月21日から運行を開始した。

藤原大

ふじわらだい デザイナー、クリエイティブディレクター。DAIFUJIWARA DESIGN INC.主宰。独自のデザイン手法「カラーハンティング」などを通して、社会性の高いデザイン活動を幅広く行う。