柳宗悦が愛した朝鮮陶磁器の自由で無垢な美の世界とは。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

柳宗悦が愛した朝鮮陶磁器の自由で無垢な美の世界とは。

民藝運動を牽引した柳が愛蔵した朝鮮白磁の壺や瓶や鉢などを中心に展観する展覧会が、柳が初代館長を務めた〈日本民藝館〉にて開催されている。

白磁壺 18世紀前半 54.1×44.3cm
「民藝」という文化を生み出し、民藝運動を牽引した柳宗悦。彼の歩みを振り返ると、彼の活動が朝鮮陶磁器との出会いから始まっていることがわかる。柳は1914年に出会った「染付の壺」に心を奪われ、その時の感激を、「その冷な土器に、人間の温み、高貴、荘厳を読み得ようとは昨日まで夢みだにしなかった」(「我孫子から 通信一」1914年)と記している。以来、度々朝鮮半島へ渡り、各地を巡って陶磁器や木工品、絵画、石工品や金工品などを蒐集。朝鮮工芸への限りない愛情の証として展覧会や文筆活動を行い、民族固有の工芸文化の素晴らしさを国の内外に紹介していった。民藝美論の礎となる「用の美」や「無心の美」への目覚めは、朝鮮陶磁器との邂逅がきっかけだったのだ。
白磁四君子文三段重 19世紀前半 19.4×12.4cm
柳が初代館長を務めた〈日本民藝館〉には、主に朝鮮時代(1392~1910)に作られた約1,600点の工芸品が収蔵されており、日本国内の美術館としては最大級の質と量を誇る。その〈日本民藝館〉では、現在、「白磁 Joseon White Porcelains」の名のもと、無地の白磁をはじめ、白磁の素地に藍色に発色する酸化コバルト(呉須)で文様を描いた青花(染付)や、褐色に発色する鉄絵具で加飾した鉄砂、赤色に発色する銅顔料を用いた辰砂など、柳がことのほか愛しんだ白磁の優品約150点を紹介している。
白磁共手水注 19世紀 18.8×17cm
民族独自の美意識や造形感覚を映し出す朝鮮陶磁のなかでも白磁の器は、朝鮮王朝の統治理念であった儒教の精神に適う「清貧の美」と深い精神性を宿し、人の心を優しく包み込む。柳が愛した、その自由で無垢な美の世界に身を委ねてみたい。

『白磁 Joseon White Porcelains』

〈日本民藝館〉
東京都目黒区駒場4-3-33 TEL 03 3467 4527。~11月23日。10時〜17時、金曜~19時。いずでも入館は閉館30分前まで。月曜休館(祝日の場合は開館し、翌日休館)。入館料1,100円。

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