戦後に活躍した工業デザイナー、秋岡芳夫と〈KAK〉を知っていますか? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

戦後に活躍した工業デザイナー、秋岡芳夫と〈KAK〉を知っていますか?

1950年代、戦後の日本で光学機器を次々と世に発表した工業デザイナーの秋岡芳夫。彼が結成したデザイン事務所〈KAK〉の仕事を紹介する展示が〈目黒区美術館〉で開催されます。

〈KAK〉の三人。左から河潤之介、秋岡芳夫、金子至。1958年頃(KAK アルバムより)。
秋岡芳夫は1950年代、日本のデザイン黎明期にラジオキャビネット、カメラ、照度計など、光学機器の名品を次々と世に送り出したプロダクトデザイナー。工業品を多く制作しながらも、自らは高度経済成長期の大量生産、大量消費に疑問を投げかけ、作る者・売る者・使う者のより良い関係を目指した "モノ・モノ運動" を主催し、岩手県大野村、北海道置戸町などの過疎地で地元の木を使った町おこしを成功させるなど、単なるデザイナーの範疇を超え、広い領域で活躍した。

〈目黒区美術館〉では、秋岡が1953年に河潤之助、金子至とともに設立したデザイン事務所〈KAK(カック)〉の仕事を取り上げた展示が開催される。

〈KAK〉は3人全員が代表取締役として持ち味を生かしながら主に中小企業の製品を開発。放送開始から間もない〈NHK〉のテレビ番組『家庭の工作』に出演し、今日のDIYムーブメントの源流となる "日曜大工" の概念を提案するなど、精力的に活動した。今回の展示では〈KAK〉によって制作された名品の数々はもちろん、三人三様の人となりも紹介する。生活者の視点から日本の工業デザインの萌芽を作り出したデザイン集団の仕事を知るまたとない機会だ。

また、〈目黒区美術館〉開館30周年を記念した「コレクション展 ひろがる色と形 -1950-60年度の抽象表現から」も同時開催される。
〈KAK〉が千代田光学精工株式会社と共同開発した《ミノルタ》シリーズのカメラ。個人蔵。
〈KAK〉手がけていた学習研究社の雑誌『科学』の付録。個人蔵。

『目黒区美術館開館30周年コレクション展 ひろがる色と形 -1950-60年代の抽象表現から+特集展示 秋岡芳夫全集5 KAKの仕事— 河潤之助、金子至とともに』

〈目黒区美術館〉

東京都目黒区目黒2-4-36
TEL 03 3714 1201。 2月10日〜3月18日。10時〜18時。月曜休(2月12日は会館、13日休)。