佐藤可士和×谷川俊太郎、パワーほとばしる絵本誕生。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

佐藤可士和×谷川俊太郎、パワーほとばしる絵本誕生。

2人のクリエイターの創造力が見事に呼応した絵本の「え」を担当した佐藤可士和さんに話を聞きました。

この絵本で赤ちゃんにスカッとしてほしい!

「漢」と「字」は書体が揃っている。
色のついたローマ字をつなげて読むと…!?
「漢」と「字」は書体が揃っている。
色のついたローマ字をつなげて読むと…!?
刺激的なドローイングにデジタルグラフィックを重ね合わせ、平仮名や片仮名、漢字にアルファベットが飛び交うという不思議な絵本。制作の裏には、絵本と同時期に佐藤さんが携わっていた仕事が影響していたとか。

Q この絵本に携わることになったきっかけをまず教えてください。

5年ほど前に雑誌の対談で谷川さんにお会いし、じっくりお話ししたんです。僕の息子がまだ赤ちゃんのときに、谷川さんが文、おかざきけんじろうさんが絵を担当なさった『ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ』という本が大好きで。他のどんな絵本よりも夢中になっていたので、谷川さんの絵本の力ってすごいなと感じていました。そうしたら、絵本でコラボをしようと声をかけていただいて。絵が先で文章は後からつけるという約束だったのですが、完全にゼロベースから考えるのって本当に難しかった。

Q その突破口となったのは?

僕のこれまでの仕事はユニクロやセブン−イレブンなど、おもに企業のブランディングでした。それはいつもビジネスと直結しています。でも2年前に自分が50歳になって、もう少し文化的発信もしたいなぁと考えるようになったのです。漠然とそう思っていると、ちょうど佐賀県から有田焼のプロジェクトのお話をいただいたり、歌舞伎の中村芝翫さんと3人のお子さんの同時襲名の祝い幕などトータルなアートワークを任されたり、日本の伝統文化にまつわるオファーが相次ぎました。伝統的な有田焼の緻密で計算され尽くした絵付けと真逆のことをやってみようと、アクションペインティングのような絵付けを1000点以上、僕が筆を握って挑戦しました。その延長線上に、この絵本のドローイングがあったのだと思います。

Q 有田焼の呉須の色を想像させる色使いが随所にありますね。

子供って、目の前のものをなぎ倒したり、グチャグチャにしたりするでしょう。その根源的なエネルギーの発散を視覚化したいと思いました。ドローイングが自分のアーティスティックな部分、その上に重ねたデザイン的要素、最後に谷川さんの文字を配置するエディトリアルな仕事。その3つを全部自分で差配するという、トータルに納得のいく作品になりました。
佐藤さん自ら絵付けを施したという〈有田400プロジェクト〉の器。この経験が絵本の着想につながった。

佐藤可士和

さとうかしわ 1965年生まれ。多摩美術大学卒業後、博報堂を経て、2000年クリエイティブスタジオ〈SAMURAI〉を設立。ユニクロ、ホンダ、セブン−イレブン、楽天など有名企業のブランディングを手がける。16年度は文化庁・文化交流使を務める。

『えじえじえじじえ』

ドローイングにデジタル図像を重ね、平仮名、片仮名、漢字、ローマ字の擬音を乗せたユニークな絵本。まだおしゃべりできない子供も強いイメージに興奮しそう。佐藤可士和/え、谷川俊太郎/じ。1,200円、クレヨンハウス。