開催中止となった『鈴木マサルのテキスタイル展  色と柄を、すべての人に。』の全貌を公開!|小西亜希子の北欧デザイン通信 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

開催中止となった『鈴木マサルのテキスタイル展  色と柄を、すべての人に。』の全貌を公開!|小西亜希子の北欧デザイン通信

鈴木マサルのテキスタイルワークが一堂に会し、過去最大規模で開催される予定だった本展。4月25日からの緊急事態宣言を受け、惜しくも開催が中止になってしまった会場の様子とともに、北欧デザインとの共通項をひもとくインタビューをお届けします。

会場設営作業が完了したタイミングで開催中止が決まった『鈴木マサルのテキスタイル展  色と柄を、すべての人に。』。
鈴木マサル。豊かな色彩感覚、生命力溢れるモチーフが表現されたテキスタイルたちは、見るだけでまるでビタミンを補給されたような気持ちになる。
東京ドームシティの〈Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)〉にて、2021年4月25日から5月9日まで開催予定だった展覧会『鈴木マサルのテキスタイル展 色と柄を、すべての人に。』。惜しくも東京都の緊急事態宣言発令を受けて会場設営作業が完了したタイミングで開催中止となってしまった。

自然界に息づく動物や植物のモチーフを大胆な色と柄で彩る鈴木マサルのデザイン。本展では、鮮やかなテキスタイルを中心に、アイデアソースである原画から、傘、バッグ、靴下などのプロダクト、新作の巨大なタペストリー生地の4種類もお目見えしている。中止になってしまったのが残念でならないが、会場内は鈴木が生み出した色と柄から発せられる生命力が充満し、幸福感が溢れている。
新作タペストリー、鈴木マサルのアイコンでもある傘のコレクションや、数量限定で販売されていたペインティグが施されたアルテックの《スツール 60》が一堂に集まるメイン空間。
新作の大型タペストリー《MOVE》。手書きとグラフィックを併用し、独自のフォルムに昇華させている。デジタル出力だが、生地の組成や特徴を熟知しているからこそ実現できる作品でもある
長年取り組む、靴下のコレクション。ふと目にした時、思わず気分があがるようなデザインを、という鈴木の一貫したクリエイションが窺える。
鈴木マサルは、2004年に自身のブランド「オッタイピイヌ(OTTAIPNU)」を立ち上げ、以降、マリメッコやラプアンカンクリ、バング&オルフセンなどの北欧ブランドとの協働も多いデザイナー。日本のテキスタイル界では稀有ともいえる、鮮やかな色と柄が持ち味だ。人の気持ちを高揚させ、暮らしに寄り添うテキスタイルクリエイションのその傍には、常に北欧デザインの存在がある。1980年代、染織を専攻していた大学時代、課題の資料を調べるために訪れた図書館で、モノクロのマリメッコのテキスタイル写真に出会ったことがそのきっかけだ。

「まだ北欧デザインが一般的にほとんど知られていない時代、大学での染織の授業はある意味古典的で、伝統的な柄を学ぶのが主流でした。その時に初めて見たマリメッコのテキスタイルのモノクロの小さな写真が、とてもグラフィカルで、ものすごく新鮮に見えました。そこから興味を持ち始めたのが始まりです」
これまでの作品の原画やペインティング作品を展示したコーナー。どんな作品もまずは手描きするところから始まるという。鉛筆やペン、絵筆を使って、植物や動物たちがいきいきと描かれている。
水彩絵具や墨、ペンを多用し描かれたアイデアスケッチなど。よく見るとどれも濃淡や風合いが異なり、ひとつひとつがまるでアート作品のよう。このまま額装して飾りたくなる出来栄えだ。
フィンランドのラプアンカンクリで初めて生産された、羊のブランケットの原案。
マリメッコに憧れを抱くものの、当時は資料を探してもなかなか見つからない時代。在学中に銀座で開催された石本藤雄の展覧会に赴き、そこで初めてマリメッコのテキスタイルを生で目にすることになる。これまで学んできたものとは全く異なる視点から生み出された、石本の「和」を表現したテキスタイルは驚くほどに洗練されていた。ここからさらに北欧デザインへの関心を高めていく。この時代はイタリアのエットーレ・ソットサスらによるポストモダンの潮流が席巻。独創的なデザインや色使い、ナタリーユ・パスキーユのパターンデザインからも大いに刺激を受けたという。
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