土田貴宏の東京デザインジャーナル|「雑貨展」に見るセンスと批評性 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

土田貴宏の東京デザインジャーナル|「雑貨展」に見るセンスと批評性

六本木の〈21_21 DESIGN SIGHT〉で「雑貨展」がスタート。多彩な出展者の視点を通して、雑多で複雑な“雑貨”のおもしろさを雑誌的に見せている。

展覧会ディレクターの深澤直人と展覧会企画チームが選んだ「雑貨展の雑貨」。「あえて評価や分析をせず、雑多に雑貨を置くことにした」と深澤直人。雑貨という視点がもののヒエラルキーを無意味にする。
もしも『カーサ ブルータス』が雑貨特集を作ったら……。〈21_21 DESIGN SIGHT〉の「雑貨展」は、そんなイメージが頭をよぎる展覧会だ。展覧会ディレクターの深澤直人はじめ、アートディレクターの平林奈緒美、スタイリストの岡尾美代子、ショップRoundaboutの小林和人、ナガオカケンメイ+D&DEPARTMENT、YAECAの井出恭子らカーサでおなじみの面々が参加作家や出展者として数多くかかわる。

日常に普遍的に存在しながら、どこか捉えにくく漠然とした雑貨というテーマだからこそ、こうして人を立てた雑誌的とも言えるアプローチが効いている。各々の雑貨にまつわる思い入れや考え方がバリエーション豊かに表現され、独特のイベント感が漂う。
「12組による雑貨」より。YAECAの井出恭子は、所有する中で「普通なのにこれじゃなくちゃと思わせる雑貨」をセレクト。中央のグラスはフランスのアンティークやバカラの業務用、その奥はボルミオリロッコのフィドジャー。
展覧会の中核は「12組による雑貨」。12組の出展者が、生活の中で愛用しているもの、捨てられないもの、自身のショップで扱っているものなどをそれぞれの感覚に基づいて選び、個性的にディスプレイしている。

来場者にとっては、その雑貨に共感できることもあるし、自分では決して選ばないものや選べないものに刺激を受けることもあるだろう。他人のセンスを現物を通して見る楽しさが、いたるところにある。基本的に作品名の掲示はないので、出展者が添えた言葉と雑貨そのものから想像を膨らませたい。
「12組による雑貨」から、設計事務所imaの小林恭・マナの展示。デザインのインスピレーションの源になる素材や、工事現場などで使われる機能第一のツール類を選んだ。