あの人のうつわとレシピ|山本千織|漆の二段重と白魚と花山葵のごはん。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

あの人のうつわとレシピ|山本千織|漆の二段重と白魚と花山葵のごはん。

『カーサ ブルータス』2020年5月号より本誌

料理家や料理上手のクリエイターが大切にしているうつわ。そんなとっておきの一枚に合うとっておきの料理を、料理人の山本千織さんに教えてもらいました。

組み合わせの妙を楽しむ具材で “チオベン” の世界観を表現する弁当箱。

〈輪島キリモト〉拭漆弁当箱 ホオの木に拭漆技法を施した弁当箱は、使い込むことでより味わいが増していく。うるいの生姜和え、エビのしんじょう、蕗の薹のブルーチーズ味噌を挟んだ牛ヒレフライ、キンキの焼き物、トコブシの黒米おこわ和えなどのおかずを1段に。見た目以上にしっかり入る。縦14×横8〜9×高さ8.5cm。
〈輪島キリモト〉の瓢箪形の弁当箱。
料理人の山本千織さんが手がける “チオベン” は、斬新な味わいと見た目の美しさが同居する、人気のお弁当。職業柄、日頃から “使える箱” を追求している山本さんの今のベストは数年前に出会った〈輪島キリモト〉の弁当箱だ。

「以前はレシピから箱を考えていましたが、初めて『この箱に入れてみたい!』と思いました」

実際に使ってみると、使い勝手の良さに加えて、お弁当がより美しく見える秘訣がわかった。

「お弁当箱を囲う数mmの縁がしっかりある。実はこのエッジが写真のフレームのような役割をしてくれて見た目の美しさを引き立ててくれるんです」
ほぼ毎日100人前後の弁当やケータリングを手がける山本さん。
盛り付けの彩りに野菜の葉や花を使う。
都会にありながら季節を感じられるアトリエの庭。
弁当づくりで意識していることは栄養のバランスと彩り、そして具材にバリエーションがあること。

「なるべく水気が少ないもの、煮物は煮詰めて汁気を拭き取って入れるのがきれいなお弁当を作るコツ。揚げ物などの固形ものもあるとアクセントになっていいですね。彩りに役立つのは白い部分のある緑の野菜。蓋を開ける瞬間のワクワク感も大事にしたい」

小さな空間で料理を素敵に演出する弁当箱。彼女にとっては仕事のできる相棒のような存在だ。
材料(4人分)
白魚…120g
花山葵…1把
米…2合
水…5合分
酒…大さじ2
薄口醤油…小さじ1/2
塩…小さじ1

1 米は洗い、浸水後ざるに上げておく。
2 花山葵は花と葉の部分を適当に間引き、茎を小口に切りざるに入れる。
3 分量外の塩小さじ1/2を2にまぶし熱湯をたっぷりかけて素早く湯切り、すぐにタッパーなどの保存容器に入れ、熱いまま蓋をして辛みを出す。
4 3以外を鍋に入れ炊飯し炊き上がったら3を混ぜ、詰めのときに間引いた花や葉を散らす。
右/〈輪島キリモト〉の弁当箱。輪島の漆器に多く使われてきた石川能登の木材であるアスナロを素材に使用したもの。中でも長方形タイプは「おかずを縦に順番に入れていくだけできれいに見える」という優れもの。L21×W8.5×H4.5cm。左下/本来弁当箱ではないものを使うのもチオベン流。雑貨店で見つけた鉄製の箱。L16×W11.5×H4.4cm。左上/パンやサンドイッチのお弁当はカゴタイプを使うことが多い。写真は〈ババグーリ〉の蓋付きのカゴ。L13×W12×H6.5cm。

山本千織

やまもとちおり 北海道生まれ。札幌で飲食店を経験後、2011年に東京・代々木上原で弁当販売店〈chioben(チオベン)〉をスタート。ロケ弁として芸能人からも人気が高く、「忘れられない味」と評判に。上京したときに知り合いのバーで昼間に定食を出すことになり、食器代わりに弁当箱を使っていたのがお弁当の原点。

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