「ロエベ ファンデーションクラフトプライズ」30名のファイナリストが決定! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

「ロエベ ファンデーションクラフトプライズ」30名のファイナリストが決定!

2020年のファイナリスト、30名が発表された。彼らの作品は、パリの〈装飾芸術美術館〉にて5月21日より展示される。

アンソニー・マーシュ(1945年生まれ/アメリカ)『Like water uphill(from Crucible series)』 陶器、磁土、釉薬。粘土と釉薬を何層も重ね、 逆さまの状態で高温の火入れを何度も行った器。
ジョン・リー(1971年生まれ/アメリカ)『Mitosis』光学ガラス。細胞の有糸分裂という原子レベルでの命の構成要素を象徴したオブジェ。寸分の狂いなくフィットする光学ガラスパーツの表面は、研削と研磨により独特の質感に仕上げられた。
ダルシャナ・ラジャ(1973年生まれ/ケニア)『Whole Hole』ムヴーリウッド、ゴム、ステンレススチール。廃材となったムヴーリウッドを、精密で綿密な計算に基づいてくみ上げた彫刻。木材の表面は、日本の焼杉の技法を用いている。
ジョエル・アンドリアノメアリソア(1977年生まれ/マダガスカル)『The Labyrinth of Passions』 シルクペーパー。愛と喪失をテーマに、細長いシルクペーパーの紙切れをキャンバスに貼りつけた大型の壁面彫刻。
Naama Haneman(1987年生まれ/イスラエル)『Movement』 スターリングシルバー、緑青メッキ処理した真鍮。1枚の真鍮板をハンマーで打った薄い上張りがシルバーにはんだ付けされた器。自然界の秩序と混沌の共存について表現したもの。
Xavier Toubes(1947年生まれ/スペイン)『Cabeza』『Bicho』『Cloud with handles』陶器、釉薬。泥漿を重ねながら表面の独特の質感を生かすような形を作り、大胆かつ原始的な色の塗料で仕上げたダイナミックなオブジェ。
Sungho Cho(1975年生まれ/韓国)『Transition of Traces』 シルバー925。蜜ろうが塗られた型に薄いシルバーのシートを入れ、はんだ付けでパーツを組み合わせた器。鋳造における新たな可能性を示した作品。
Kyeok Kim(1977年生まれ/韓国)『Second Surface』 銅線、金箔。テキスタイルの技法で皮膚の模様を再現した壮大な彫刻作品。かぎ針編みした繊細な銅線に柔らかな金箔を用いている。
ボディル・マンツ(1943年生まれ/デンマーク)『Fence』磁器。紙のように薄くほぼ透明な磁器を筒状に仕上げ、強い緊張感を演出。壁面の幾何学パターンで、素材の内側と外側で語り合う物語を表現している。
カーラ・ガルシア・ドゥラン(1987年生まれ/スペイン)『Habits of Blindness』古生地、木材、アクリル、アクリル塗料。古い生地や材木を用い、直感的に組み上げた装飾用ジュエリー。
〈ロエベ〉の神髄である“クラフト”を追及すべく、世界中から優れた技術とクリエイティビティを備える職人を発掘し、広めることを目的として始まった「ロエベ ファンデーションクラフトプライズ」。4回目となる今回は、素材や伝統技法の再解釈と革新に挑んだ作品が多く、ファイナリストの30名(6大陸18か国)は、社会人1年目から新進気鋭の芸術家に著名なクリエイターとタイプもさまざま。107か国から応募された2,920点の中から選出された。
Yang Gao(1974年生まれ/中国)『Dandelion』竹。竹の棒の端をハンマーで叩いて裂き、タンポポに似たパーツを作り、それを丁寧に重ねて作ったオットマンのような家具。硬い素材で柔らかな質感を表現している。
鵜飼康平(1993年生まれ/日本)『Fusion 19-07』 漆、シナノキ、ヘンプ。全長2mある未加工のクスノキの木片に何層もの漆を塗って作られた漆作品。
Fanglu Lin(1989年生まれ/中国)『SHE』コットン、木材。中国雲南省にある少数民族「ペー族」の、千年も続く伝統的な絞り染めの技術を取り入れて作られた巨大な壁面インスタレーション。
ジェシカ・ローリン(1975年生まれ/オーストラリア)『Receptor of light Ⅸ』 ガラス。ガラスに含まれる細かい粒子で日の光の変化に合わせて表情が変化していくオブジェ。
Edu Tarin(1984年生まれ/ドイツ)『GO』 マラカイト、タイガーアイ、ラピスラズリ、アルミニウム、ナイロン。3Dスキャンと彫刻の技術を駆使し、石の土台に手彫りのペンダントがピッタリと収まるようになっているオブジェ。
Sukkeun Kang(1969年生まれ/韓国)『For:Ottchil Wooden Bowl』 ケヤキの木、オッチル(漆)。薄さ3ミリまで削られた木製のお椀がオッチル(漆)塗りされた器。非対称的な形状は、木の幹の年輪そのままのもの。
Seongyeol Park(1978年生まれ/韓国)『inborn』 オッチル(漆)。多彩な色や藁のような質感のオッチルを、粘土の器の外側に薄く細長く伸ばし、紐状になったオッチルを剥がして貼り合わせた繊細なお椀型オブジェ。
デスポ・ソフォークリオス(1977年生まれ/カナダ)『Echoes』チェリー、灰、ウォールナット、黒鉛、インク、コットン。記憶と永続性を表現したネックレス。絡まり合う複数のパーツで、動きのあるひとつのピースを構成している。

崎山隆之(1958年生まれ/日本)『聴涛:Listening to the Waves』 せっ器。海をインスピレーションに、波打つような表面で潮の干満や海流を美しく表現した器。
トビアス・モール(1970年生まれ/デンマーク)『Black Twill Collection』ガラス、木。ベニスのガラス吹き製法「フィリグラーノ」という技法に現代スカンジナビアの表現スタイルを取り入れた、透明で黒茶色のガラスの器。
審査委員長のアナツ・ザバルベアスコアは『今回は、これまでで最も国際色豊かなものとなりました。ファイナリストは若手から有名どころまで、大陸や世代を超えた対話を生み出しており、それぞれが卓越した技術を駆使し、驚きを与える技法を取り入れながら、伝統を大切にし、新たな命を吹き込んでいます。世界の現状を反映したテーマにインスパイアされた、これらの作品からは、文化および美に対する最高レベルの意欲を感じることができます』と述べている。
ジェス・トルバート(1985年生まれ/アメリカ)『Greater-Than』ホッチキス針、スチール、 ゴールド。ホッチキス針を同じパターンで整然と繰り返し重ねていくことで、大量生産に思いを巡らせたブローチ。
ダビッド・コルワラン(1979年生まれ/チリ)『Desertico Ⅱ』銅線、エポキシ樹脂。チリのアタカマ砂漠で行われる銅採掘産業の負の部分に対する批判とも言える地形彫刻。銅線を一本一本貼り合わせて表現した。
ジャック・ドハーティ(1948年生まれ/アイルランド)『Guardian Vessel』 磁器、炭酸銅。火入れの際にソーダ炭酸ナトリウムを投入することで、海のような色合いと独特のニュアンスを作り出した器。
ケビン・グレイ(1967年生まれ/イギリス)『Chiral』958ブリタニアシルバー、ゴールド。手作業で切ったシルバーのピースを溶接でつなぎ合わせた器。

Afsaneh Modiramani(1967年生まれ/イラン)『A Little Space to Live』コットン、ウール、シルク。ゆるく編み込まれたシルク、幾何学的な背景はコットンとウールと素材を変えて手織りで表現した2種類のタペストリー。

キム・ヘジョン(1969年生まれ/韓国)『Carpel:Earth Matters』:『Sky Matter(Space)』、『Earth Matter(Speck)』せっ器・陶器。花を咲かせる植物が持つ生殖システムにインスピレーションを得たせっ器のお椀と球体のアクセサリー。
ペーター・バウフイス(1965年生まれ/ドイツ)『policast』 シルバー800、シルバー925、純銀、真鍮。シルバーと真鍮を同時に型に流し込むことで金属を融合させ、酸化による独特の色味と無秩序な形状を生み出した絵画的な器。
マルク・リクール(1963年生まれ/フランス)『Untitled』 木材、塗料。フランス産グリーン材を旋盤加工して作られた器。ピュアな白色と球根状のフォルムが印象的。
ヴェロニカ・ベック(1969年生まれ/ドイツ)『Blackness』ガラス。じょうごのような形状の内側パーツ、ガラスの滑らかさ、深みのある黒で、見る人の体験を別次元に誘う瞑想的なオブジェ。
ワカス・カーン(1982年生まれ/パキスタン)『The Library Has No Letters Ⅱ』 保存 赤塗料、ワスリ紙。イスラム教スフィ派の詩の哲学にインスパイアされたもの。ロットリング社製のペンを使い、瞑想的な催眠状態でこの作品を仕上げた。
結果は5月19日に、パリの〈装飾芸術美術館〉にて開催される「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ2020」にて発表される。

AIがあなたにおすすめ

※過去の記事も表示されます