『カイ・フランク』展、彼がデザインの良心である理由|土田貴宏の東京デザインジャーナル | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

『カイ・フランク』展、彼がデザインの良心である理由|土田貴宏の東京デザインジャーナル

葉山にある〈神奈川県立近代美術館〉で始まったカイ・フランクの回顧展は、20世紀のフィンランドを代表するガラスや陶磁器のデザイナーとして著名な彼の作風を、幾何学形態をテーマに読み解こうというものだ。「フィンランド・デザインの良心」と広く評される彼の本質を、独自の切り口で伝えている。

自然光を受けた色鮮やかなアートグラスは、1970年代以降にデザインされたものが多い。
〈イッタラ〉や〈アラビア〉のテーブルウェアのデザイナーとして、カイ・フランクは日本でも知名度の高い存在だ。そして彼についての説明には、国内外を問わずいつも「フィンランド・デザインの良心」(Conscience of Finnish design)という言葉がついてまわる。神奈川県立近代美術館の『カイ・フランク』展を観ると、この形容が彼のどんな性格に基づいたものなのかに納得させられる。
カイ・フランクの代表作、イッタラのグラス《カルティオ》のベースになったヌータヤルヴィの《2744》。生前の彼は「色は唯一の装飾」と語っていた。
《ティーマ》の前身であるテーブルウェア《キルタ》のカップ&ソーサー。ソーサーは小皿としても使うことが意図された。
展覧会の導入部には、カイ・フランクによる6種類の幾何学形態のガラスの器が置かれている。壁面のスクリーンには、彼ゆかりの画像が流れる。
フィンランドのアノニマスな日用の器から始まる2つめの展示室。カイ・フランクがデザイナーになる前の時代から、現地で使われていたような素朴な器だ。
6つの形態を縦軸として、カイ・フランクの活動した時代を横軸として構成した2つめの展示室。手前の作品は折り紙を連想させる《KF》シリーズ。
カイ・フランクの代表作、イッタラのグラス《カルティオ》のベースになったヌータヤルヴィの《2744》。生前の彼は「色は唯一の装飾」と語っていた。
《ティーマ》の前身であるテーブルウェア《キルタ》のカップ&ソーサー。ソーサーは小皿としても使うことが意図された。
展覧会の導入部には、カイ・フランクによる6種類の幾何学形態のガラスの器が置かれている。壁面のスクリーンには、彼ゆかりの画像が流れる。
フィンランドのアノニマスな日用の器から始まる2つめの展示室。カイ・フランクがデザイナーになる前の時代から、現地で使われていたような素朴な器だ。
6つの形態を縦軸として、カイ・フランクの活動した時代を横軸として構成した2つめの展示室。手前の作品は折り紙を連想させる《KF》シリーズ。
展覧会を構成する最初の部屋では、中央にカイ・フランクによる6つの作品が展示されている。彼のデザインに頻繁に用いられた6つの形態である丸、楕円、円柱、円錐、四角、三角を象徴するものだ。さらに展覧会のメインとなる次の展示室では、6種類の幾何学形態をさまざまに発展させ、組み合わせることで、豊かな機能を持つデザインにしていった流れを伝える。この展覧会の原型になったのは、2018年にフィンランドで行われた『KAJ FRANCK & GEOMETRIA』展だが、今回は展示品数をほぼ2倍に増やして再構成したものだ。