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フォスター卿レコメン、ミースの伝記マンガです!
『カーサ ブルータス』2019年7月号より
June 17, 2019 | Design | a wall newspaper | text_Mika Yoshida & David G. Imber special thanks to Yolanda Dib Cabello(Grafito Editorial)
ケンチクとマンガって実は相性良いんです。スペイン発の「巨匠建築家マンガ」が話題に!
巨匠ミース・ファン・デル・ローエの半生を描いた、その名も『MIES』。バルセロナ・パビリオンの完成から、ナチスによるバウハウス閉鎖の悲劇、そして亡命先アメリカでの活躍を辿る、スペイン語のマンガだ。
ミースをぐっと身近に感じさせてくれるのは、さすがマンガの力! 葉巻をくゆらせながら談笑したり、癇癪を起こしたり。女性たちとのロマンスや、ライバルとの確執など人間・ミースを生き生きと描写する。作者のアグスティン・フェレール・カサスは「史実に基づく創作で、厳密には伝記ではないんですよ」と語るのだが。
驚くのがファーンズワース邸やレイクショア・ドライブなど、ミース建築の緻密な描き込みっぷりだ。それもそのはず、このアグスティンさんは大学で建築を修め、大手建築事務所に勤めていた元・ドラフトマン。休日に趣味で描いていたマンガのはずが、いつしか国内外の賞に輝く売れっ子に。ただし建築を扱ったのは、本作が初。ミースや建築史の予備知識が求められる内容にもかかわらず、英語圏の一般メディアも絶賛の嵐だ。
MIES
Agustín Ferrer Casas著。序文を捧げているのはかのノーマン・フォスター卿だ。全176ページ。Grafito Editorial刊。25ユーロ。日本からは専用サイトから購入が可能だ。
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