ロンドンのジャズマンと名曲の数々をアップデート。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ロンドンのジャズマンと名曲の数々をアップデート。

『カーサ ブルータス』2018年4月号より

DJの松浦俊夫が自らプレイしてきた楽曲をカバー。制作意図やロンドンでのセッション話を聞いた。

ショーン・コネリー版のジェームズ・ボンドを愛する松浦さん。このスーツは、ボンドと縁深いテーラー〈Anthony Sinclair〉で仕立てたもの。
Q 今回のアルバムは、これまで松浦さんがプレイしてきた楽曲のカバー集ということですが、制作された経緯を教えてください。
長い付き合いになるロンドンのDJ、ジャイルス・ピーターソンが、2016年に南フランスのセットでフェスを開催したんです。そのとき、ニューヨリカン・ソウル「I am The Black Gold of The Sun」(原曲:ロータリー・コネクション)の4ヒーローによるリミックスをプレイしたんです。これは、1996年にニューヨリカン・ソウルが、ジャイルスのレーベル〈トーキング・ラウド〉から発表したアルバムに収録されていて。ニューヨリカン・ソウルのバージョンの4ヒーローによるリミックスは特別なので、シンガーのダイメ・アロセナに歌ってもらおうと思ったんです。

Q 4ヒーローは、ドラムンベースを軸に、様々な黒人音楽にアプローチするユニットですね。
「The Black Gold of The Sun」のリミックスは、メロウな歌とビートから始まるんだけど、途中からドラムンベースに転調する。初めて聴いたとき、正直〝なんだ、これ!〟と、すごく衝撃を受けたんです。自分のDJ人生を振り返ると、そういう衝撃を受けた曲から影響を受けていることが多く、そんな曲を集めて、カバー集が作れないかと考えたんですよね。

Q 所属されていたU.F.O.の「Loud Minority」のセルフカバー「L.M.Ⅱ」のほか、収録曲はすべて、ロンドンのジャズマンたちを迎えた生演奏のカバーになっていますね。様々なアイデアが盛り込まれていて驚かされます。
「L.M.Ⅱ」は原曲が発表されてから25年たちます。いつかアップデートした形で発表したいと考えていたんです。トム・スキナー(Dr)にミュージカルディレクターに就いてもらい、ミュージシャンのブッキングもお願いしたんですが、中にはアルバムで取り上げた90年代の楽曲を知らない、20代のメンバーもいました。それゆえに、臆せず新しいアイデアを提案し、こちらの意図をブチ壊してくれたところがあります。

Q 売れっ子ジャズマンたちを束ねるのは大変だったのでは?
でも、楽しかった(笑)。4日間スタジオを取って、10時から22時まで。揃ったメンバーから次々と録っていきました。大変だったけど、いい出来になったので、もう第2弾を構想しています。

松浦俊夫

まつうらとしお Toshio Matsuura Groupの『LOVEPLAYDANCE』が発売中。インテンショナリーズの鄭秀和がデザインを手がけ、〈The Room〉に馴染みの深いDJ陣が監修を手がける、音の出る家具〈VJ FURNITURE〉プロジェクトに参加。ローンチパーティーは4月27日に新木場ageHaにて。