デヴィッド・リンチがアトリエで語る”アートライフ”。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

デヴィッド・リンチがアトリエで語る”アートライフ”。

『カーサ ブルータス』2018年2月号より

2年半の密着取材から生まれたドキュメンタリーで、ついにデヴィッド・リンチの謎が明らかに…なる?

リンチの隣に座っているのは、2012年に誕生した愛娘・ルーラちゃん(『ワイルド・アット・ハート』のヒロインと同名!)。アトリエでのふたりの微笑ましい様子も見どころだ。
昨年、伝説的TVドラマ『ツイン・ピークス』の27年ぶりの新シーズンを発表、71歳にしていまだファンを歓喜させ驚愕させ戸惑わせ続ける鬼才デヴィッド・リンチ。彼が、今までほとんど見せてこなかったアトリエでの創作の様子を公開し、若かりし頃のプライベートな出来事を惜しみなく語ったドキュメンタリー映画が公開される。

25時間に及ぶインタビューを行ったという今作は、周辺の人々のコメントはなし、リンチがひたすら自分の人生と作品について語るというシンプルな構成だ。ドキュメンタリーによくあるようにカメラに向かって座って語るのではなく、動きながらリラックスして話してもらえるよう、隠しカメラで声を拾ったという。インタビューの中で登場するのは、暗闇の中で見た奇妙な女性の裸、高速道路の白い線を見ながら夢うつつ状態になった話、鬱々としたフィラデルフィア時代に遭遇した「私はチキン!」と騒ぐ隣人……。ファンならば、頭の中でリンチの作品と関連づけずにはいられないエピソードの数々だ。話と連動するように、子供&青年時代の写真や、リンチのアート作品が不穏に画面に登場し、その時代時代のリンチの精神状態を物語る。

タイトルの「アートライフ」は、かつてリンチがアトリエを間借りしていたアーティスト、ブッシュネル・キーラーがくれた、ロバート・ヘンライの本『アート・スピリット』に由来する。そこには、「アート・スピリットを生きるアートライフとは、コーヒーを飲み、タバコを吸い、絵を描く。それだけ」といった内容が書かれていて、アーティストを志すリンチ青年はとても感銘を受けたという。本作には、いま現在もそれを体現し続けるリンチの作品作りの様子が映し出される。出来上がる作品は奇妙でダークだが、ベタベタした何かをキャンバスに手で塗りたくり、針金でオブジェを作り、粘土を削り……と、アトリエでの創作の様子は何とも自由で幸せそうだ。彼と横で遊ぶ愛娘との距離感にも思わず頬が緩んでしまう。こんなリンチのハッピーなアートライフを、これから彼がどんな作品で驚かしてくれるのか、期待を抱きながら見守りたい。

デヴィッド・リンチ:アートライフ

監督を務めるのは、2007年に制作されたドキュメンタリー『リンチ1』(『デイヴィッド・リンチ Blu-ray BOX』などに収録)でリンチとの信頼関係を築いてきたジョン・グエンら。1月27日より、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開。

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