マイク・ミルズの映画はいつも“家”が鍵でした。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

マイク・ミルズの映画はいつも“家”が鍵でした。

新作映画のテーマはシングルマザーの母と思春期の息子。家は、彼らの感情が交錯する、重要な舞台装置でした。

待ちに待った、マイク・ミルズの最新映画がいよいよ6月公開。前作『人生はビギナーズ』では、自らの父の衝撃カミングアウトを題材にしていたが、今回のテーマは成長期に自分の周囲にいた、強く美しい“女性たち”だ。舞台となったのは、1979年のサンタバーバラ。彼の映画製作は、家探しから始まったそうで。

劇中の家具の多くは両親のものなんだ。

マイク・ミルズ 1966年、カリフォルニア州バークレー出身。90年代にグラフィックデザイナー、映像作家として活躍。2005年『サムサッカー』で長編映画デビュー。『マイク・ミルズのうつの話』(07年)、『人生はビギナーズ』(10年)がある。
Q 舞台となった家が素敵でした。どこで見つけたのですか?
家はすごく重要な要素、映画の中心でもあるしね。多分、他の監督よりも僕は家についてよく考えるタイプだと思う。今のLAはキレイすぎて、治安の悪い地域に行かなきゃ見つからなかった。エージェントからこの物件を紹介されたときには、穴も開いてるし水も出ないし、ホラー映画に出てくるみたいな家だよって言われたんだけど、ぴったりだ! と。70年代の家はそんな感じだったんだ。

Q 各キャラクターの部屋も、それぞれの個性が出ていて面白かったです。こだわった部分は?
家具は両親の家から持ってきたものが多いんだ。ディナーテーブルで使っていた椅子は、僕が小さな頃に使ってたものだし、マルセル・ブロイヤーのチェアもそう。母親の部屋は、アールデコ調の真鍮ベッドフレームとミッドセンチュリーのランプ、30年代のチェストや幾何学模様のベッドカバーといった具合に、いろんな時代のものがミックスしている。何かの趣味で統一するんじゃなくて、当時は今以上に多様性があったと思う。

Q 劇中ではお母さん自らが家をずっと改装していますね。
それが僕の記憶に残っている両親の姿なんだ。母親は製図の仕事をしていたし、父親も建築家に憧れていた人。小さな頃だけで3回引っ越して、全部自分たちで改装してた。大恐慌時代を生きた両親は、何でも自分でやるっていう気持ちが強かったんだと思う。でも、母親はちょっと変わっていて、自分でつなぎを着てハンマーを持つような男勝りなタイプだった。

Q 現在、マイクさんには5歳の息子がいますが、彼のことを理解するためにはどうしたらいい?
世の中すごい早さで変わってきているから、彼がこれからどんな時代に生きていくのか想像もつかない。でも、何があっても友達で居続けられたらいいなと思う。今は親のことを敵だと思っている子供が多すぎるので、そう思われない親になりたいと思うよ。

『20センチュリー・ウーマン』

芯の強い女性たちの人生に学ぶ15歳の少年の成長譚。監督:マイク・ミルズ、出演:アネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、ルーカス・ジェイド・ズマン。119分。6月3日より丸の内ピカデリーほか全国公開。 20th Century Women ©2016 MODERN PEOPLE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.