心地いいだけではない、皮肉屋のYahyel(宇宙人)。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

心地いいだけではない、皮肉屋のYahyel(宇宙人)。

結成2年にして、海外でのライブやロックフェスに出演。表情はあまり見えないけど、熱い気持ちがあるようです。

「池貝と僕はディストピア・オタクで、ビジュアル的な影響は大きい。ジョージ・オーウェルの『1984』から始まり、SF小説『虐殺器官』の伊藤計劃など」(篠田)
2015年にリリースしたシングル「Y」が、まず日本国内の音楽愛好家からリアクションを受け、瞬く間にその名が知られるようになったyahyel(ヤイエル)。翌16年には、ロンドンの老舗レーベル兼レコードショップ〈Rough Trade〉でライブを行い、年末にはファーストアルバム『Flesh and Blood』を発表。海外からの反応も多く、今ではSuchmosやD.A.N.らと共に、新世代を代表するバンドになっている。まずは、音楽的な影響や結成のキッカケから話を聞いた。
杉本 このメンバーで活動を始めた2015年は、海外のシーンを見渡すと、ポスト・ダブステップ的なビート、インディーR&Bが多かったんですよね。それが全てではないけど、強いて言うならジェイムス・ブレイクが、僕らの共通点かもしれません。

篠田 当初から、音楽的な理詰めをしていたことが大きいかもね。

池貝 各自バラバラに活動してきて、以前はかなわなかったことが、このメンバーなら実現できるんじゃないかなって思ったんです。結成した当時は、ジェイムス・ブレイクなどがポップチャートに上がってきたとき、「これならやれるかもしれない」と思ったんです。各自初期衝動を抱えながらも、「今はどんな音楽をやるべきか」と、話し合いを重ねました。

メロウで心地のいい楽曲と、いたずら心すら感じさせる混沌が同居しているところが魅力だ。

篠田 バンド名は宇宙人という意味だけど、歌っているのは人の内面のドロドロとした感情。新世代と呼ばれる我々は、機械補綴や人体改造を通じ、ポストヒューマンとか言われるけど、結局は血と肉で作られているってことなんです。

池貝 今の世代の生々しさを書きたいと思ってます。

杉本 今ってユートピア性を打ち出しているバンドが多いと思う。僕らは逆にディストピア性を押し出そうとしています。「これってそもそもおかしくない?」とか「こんなふうに今言われたら不快な気分にならない?」みたいな、問いかけを繰り返している曲が多いかも。内面からの叫びを際立たせるため、音数をあえて減らしている。1つのサビが終わった後、ビートもなくなって声だけになる曲があって。そんなところでも、言葉が届くように意識してますね。

池貝 怒ってるね、怒ってるよ。

杉本 「チルだ、気持ちいい」と思わせておいて、実は「それ違くない?」みたいな仕掛けかな。

Yahyel

ヤイエル 池貝峻(Vo)、篠田ミル(Sample & Cho)、杉本亘(Syn & Cho)により2015年結成。デビュー作『Flesh and Blood』が発売中。4月2日 仙台darwinでの『Flying Flags VOL.1』、4月8日 渋谷O-EAST系列での『SYNCHRONICITY』、5月4日 埼玉スーパーアリーナで開催される『VIVA LA ROCK』へ出演決定。