監督はカーサと建築が好き!? 注目のタイ映画『ハッピー・オールド・イヤー』の監督インタビュー。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

監督はカーサと建築が好き!? 注目のタイ映画『ハッピー・オールド・イヤー』の監督インタビュー。

断捨離をテーマに、これまで避けてきた過去の人生に向き合う女性の心の機微と成長を描いた瑞々しいタイ映画『ハッピー・オールド・イヤー』。今冬注目作の公開を記念して、監督のナワポン・タムロンラタナリットに直撃インタビュー。なんとカーサブルータスの愛読者(!)だという監督へ、物語のモチーフからタイの若者のライフスタイル事情まで、尋ねてみました。

北欧への留学を経験しミニマリズムに憧れる主人公、ジーン。演じたのは、アジア中で大ヒットした映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』で主人公の天才少女役を好演した、チュティモン・ジョンジャルーンスックジン。
本作の主人公は、実家をリフォームしミニマルスタイルなデザイン事務所にするため断捨離を決行することにしたデザイナー、ジーン。モノで溢れた家を整理していく中で出てきたのは、これまで自分が避けてきた過去の思い出の品々だった。その断捨離を通して彼女は、過去の自分と向き合い、一歩ずつ前へと進んでいく。

──“断捨離”がテーマというユニークな設定ですが、このストーリーはどこから着想を得たのですか?

自身の経験として大晦日に大掃除をしたことがあって、それがこの物語を思いつくきっかけになりました。そこから色んな人に片付けやモノを捨てるということに関してリサーチをしていったのですが、その中でかつての恋人から貰ったものを捨てるか、それとも返すかという質問をしました。その質問にはとても様々な回答が寄せられて、それらの回答を元にこの物語が出来上がっていきましたね。

──その質問は多くの議論を呼びそうですね(笑)。ちなみに返ってきた回答は、捨てると返すとではどちらの意見が多かったんですか?

大半は捨てるという回答が多かったんですが(笑)、中には様々な理由で返すという人もいて、私はその返すと答えた人々にとても興味があったんです。だから、この映画でもジーンはかつての恋人に貰ったものを返しにいくんです。
勢いに任せて断捨離を進めていくジーンだったが、親友の一言をきっかけに、過去の思い出のモノたちと向き合っていくことになる。
モノで溢れたジーンの実家。ロケハンを経て見つけたこの建物には当初、何も物がなかったそう。スタッフが小道具を運んで散らかせたという、そのリアルな実家感も要注目。
ジーンは兄のジェーとともに断捨離を進めていく。片付けに邁進する妹を見守るジェーを演じたのは、本作が俳優デビューとなるモデル兼ミュージシャンのティラワット・ゴーサワン。
──この映画でジーンはミニマリズムを目指していますが、実際にタイの若者はどういった部屋に住んでいるんでしょう。

他の都市ではまた事情が違いますが、バンコクの若者はコンドミニアムやアパートのようなコンパクトな部屋に住んでいることが多いです。そうした彼らにとっても片付けというのは重要なテーマになっていますね。こんまりこと近藤麻理恵さんの本もここ数年で多くの人に読まれていますよ。日本の若者も小さな部屋に住んでいる点では同じですが、日本には公園や図書館など公共スペースが多くあり、そこでリラックスしたりできますよね。でもバンコクにはあまり公共スペースが無くて。家以外だとみんなデパートくらいしか行くところが無いんです。

──公共スペースが少ないのは、なかなかつらいですね。そんなタイの若者には、どんなインテリアが人気なんですか?

無印良品です(笑)。そこまで店舗は多くありませんが、タイの若者にとても人気がありブームになっていますね。それからイケアなど、シンプルなデザインのインテリアが若者の心を掴んでいます。

──ちなみに監督自身は、どういったスタイルの空間が好きなんですか?

自分自身は、ジーンほどでは無いですが、ほんの少しミニマリストですね。個人的にはブルータリズムのようなコンクリート打ち放しの建物が好きで、日本だと安藤忠雄さんの建築にはとても惹かれます。あと銀座にある中銀カプセルタワービルも大好きで。あれを自分の部屋にできるなら、ぜひそうしたいくらい(笑)。
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