VEHICLE
Chill CARS|自動車デザイン史に残る、オリジナリティが高いクルマ。
『カーサ ブルータス』2023年12月号より
November 11, 2023 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara
戦後二輪メーカーとして発足した〈ホンダ〉は、1963年に軽自動車で四輪車市場に参入した。
そして67年、同社は軽乗用車の《N360》をリリースして一大勢力を築いた。その後《ライフ》などを発売するも、74年に生産を終了。〈ホンダ〉は一時、商用以外の軽自動車市場から撤退した。
その後11年ぶりに投入された軽自動車が85年発表の《トゥデイ》だ。ボンネットとフロントウィンドウが連続する車体形状は、軽自動車を含む小型車では前代未聞。全高も低く、スポーツカーのような雰囲気を得ていた。一方で丸いヘッドライトにより、愛嬌もある。
車体寸法に上限がある軽自動車では、室内空間の確保に腐心するが、《トゥデイ》ではタイヤを可能な限り四隅に追いやり、エンジンルームも最小限として、これを実現した。この設計は、〈ホンダ〉が《N360》以来掲げてきた「MM思想」(マンマキシマム・メカミニマム)を具現化したものであった。
《トゥデイ》は93年に2代目にスイッチしたが、基本的には同様のシルエットを継続した。92年には、フランスの〈ルノー〉が、初代《トゥインゴ》に類似したフォルムを与えている。しかし現在に至るまで、これらに似た小型車はあまり見られない。それは、初代《トゥデイ》はデザインのオリジナル度が高く、模倣が難しいことを示している。控えめな存在ではあるが、自動車デザイン史に残る傑作と言って間違いない。
その後11年ぶりに投入された軽自動車が85年発表の《トゥデイ》だ。ボンネットとフロントウィンドウが連続する車体形状は、軽自動車を含む小型車では前代未聞。全高も低く、スポーツカーのような雰囲気を得ていた。一方で丸いヘッドライトにより、愛嬌もある。
車体寸法に上限がある軽自動車では、室内空間の確保に腐心するが、《トゥデイ》ではタイヤを可能な限り四隅に追いやり、エンジンルームも最小限として、これを実現した。この設計は、〈ホンダ〉が《N360》以来掲げてきた「MM思想」(マンマキシマム・メカミニマム)を具現化したものであった。
《トゥデイ》は93年に2代目にスイッチしたが、基本的には同様のシルエットを継続した。92年には、フランスの〈ルノー〉が、初代《トゥインゴ》に類似したフォルムを与えている。しかし現在に至るまで、これらに似た小型車はあまり見られない。それは、初代《トゥデイ》はデザインのオリジナル度が高く、模倣が難しいことを示している。控えめな存在ではあるが、自動車デザイン史に残る傑作と言って間違いない。
country: Japan
year: 1985-93
seats: 4
size: L3,195×W1,395×H1,315mm
price: approx 800,000 yen
special thanks to Vintage Car Try( TEL 029 291 2630)
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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