VEHICLE
Chill CARS|空気力学によって生まれた、美しいステーションワゴン。
『カーサ ブルータス』2020年7・8月合併号より
July 31, 2020 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Fumio Ogawa illustration_Daijiro Ohara
SUVの台頭でステーションワゴンの販売が影響を受けている。米国のメーカーは生産をやめてしまったほどだ。しかし、ステーションワゴンには、独特の美しさがある。
ドイツの〈アウディ〉が1983年に発表した2代目の《100アヴァント》はその代表的な1台だ。82年登場の3代目《100》のステーションワゴン版である。
このクルマのデザインで見るべきところは “科学” を採用したことだ。走行中の空気抵抗を減らすと、速度は上がるし、燃費がよくなる。それをわかりやすく、丸みを帯びた形にした。
細部を見ればたとえば、ヘッドランプとグリルをひとつの面としてデザインしていること、それからサイドウィンドウとピラーに段差をつけていないフラッシュサーフェスの採用など、丁寧な処理がいたるところに施されている。
ステーションワゴンだが、ルーフの前後長を短めにしてテールゲートを寝かせていることでスタイリッシュさも感じさせる。「アヴァント」なる独自の名称をつけたのは、当時〈メルセデス・ベンツ〉のステーションワゴンがテールゲートを垂直に立てて実用最優先だったのに対して、〈アウディ〉の独自性をアピールするため。
このときの《100》シリーズから〈アウディ〉は一気に同じドイツの〈メルセデス・ベンツ〉と〈BMW〉をターゲットにしたクルマづくりを始める。〈アウディ〉のアプローチは「科学」と「スタイル」その原点となるモデルだ。
このクルマのデザインで見るべきところは “科学” を採用したことだ。走行中の空気抵抗を減らすと、速度は上がるし、燃費がよくなる。それをわかりやすく、丸みを帯びた形にした。
細部を見ればたとえば、ヘッドランプとグリルをひとつの面としてデザインしていること、それからサイドウィンドウとピラーに段差をつけていないフラッシュサーフェスの採用など、丁寧な処理がいたるところに施されている。
ステーションワゴンだが、ルーフの前後長を短めにしてテールゲートを寝かせていることでスタイリッシュさも感じさせる。「アヴァント」なる独自の名称をつけたのは、当時〈メルセデス・ベンツ〉のステーションワゴンがテールゲートを垂直に立てて実用最優先だったのに対して、〈アウディ〉の独自性をアピールするため。
このときの《100》シリーズから〈アウディ〉は一気に同じドイツの〈メルセデス・ベンツ〉と〈BMW〉をターゲットにしたクルマづくりを始める。〈アウディ〉のアプローチは「科学」と「スタイル」その原点となるモデルだ。
country: Germany
year: 1983-91
seats: 5
size: L4,895×W1,820×H1,485mm
price: approx 1,600,000 yen
special thanks to YOSHIROTTEN
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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