VEHICLE
Chill CARS|冒険心をくすぐる、業界屈指のロングセラー。
『カーサ ブルータス』2019年10月号より
September 16, 2019 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Fumio Ogawa illustration_Daijiro Ohara
〈メルセデス・ベンツ〉の《ゲレンデヴァーゲン》(Gクラス)は、1979年の発表以来、フルモデルチェンジは2018年の1回だけのロングセラーだ。
日本でも昨今は大きな人気を博している。着座位置が高くて見晴らしがよいうえに、車体幅が細く、使い勝手がいいからだ。
〈ダイムラー・ベンツ〉(現在の社名は〈ダイムラー〉)と、オーストリアの〈シュタイア・ダイムラー・プフ〉と共同で開発計画がスタートしたのは71年だった。山岳パトロールや森林のレンジャーが当初のターゲットである。
オフロードでの抜群の走破性と同時に、オンロードでの快適性を視野に入れたのは、広い層にアピールするためだ。ユーザーには軍隊も含まれている(軍用が当初の目的だったという説もある)。
平板のウィンドシールド、汎用規格のヘッドランプ、外にヒンジが出たドアなどは、破損した際の調達と交換を容易にするためだ。一方でこのデザインが「大人の中の冒険を好む心をくすぐったはずです」とも〈ダイムラー〉は資料に記している。
初期のモデルはアクセルペダルをはじめ操作系が重いなど、乗用車とは一線を画していた。性能を重視していたため、人間が機械に慣れる必要があったのだ。
何度も改良が加えられ、39年間かけてファンを増やしていった。そこもモデルサイクルが短い乗用車の常識とは異なる。よき工業デザインの見本のようなクルマだ。
〈ダイムラー・ベンツ〉(現在の社名は〈ダイムラー〉)と、オーストリアの〈シュタイア・ダイムラー・プフ〉と共同で開発計画がスタートしたのは71年だった。山岳パトロールや森林のレンジャーが当初のターゲットである。
オフロードでの抜群の走破性と同時に、オンロードでの快適性を視野に入れたのは、広い層にアピールするためだ。ユーザーには軍隊も含まれている(軍用が当初の目的だったという説もある)。
平板のウィンドシールド、汎用規格のヘッドランプ、外にヒンジが出たドアなどは、破損した際の調達と交換を容易にするためだ。一方でこのデザインが「大人の中の冒険を好む心をくすぐったはずです」とも〈ダイムラー〉は資料に記している。
初期のモデルはアクセルペダルをはじめ操作系が重いなど、乗用車とは一線を画していた。性能を重視していたため、人間が機械に慣れる必要があったのだ。
何度も改良が加えられ、39年間かけてファンを増やしていった。そこもモデルサイクルが短い乗用車の常識とは異なる。よき工業デザインの見本のようなクルマだ。
special thanks to Bellis( TEL 03 5731 6333) ※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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