FOOD
小寺慶子のレストラン予報| 西麻布〈日本料理 和敬〉
『カーサ ブルータス』2019年2月号より
January 19, 2019 | Food | RESTAURANT FORECAST | photo_Kayoko Aoki text_Keiko Kodera
地方発の名店が紡ぐ和食の佳味に心が満たされるでしょう。
地方の名店の東京進出がめざましい。すでに全国区の知名度を持つ人気店は、東京でもたちまち予約の取れない店になるケースが多いが、西麻布の〈日本料理 和敬〉も、今年、間違いなくブレイクを果たす一軒だろう。
東京の〈分とく山〉で野崎洋光氏に師事し、地元・愛媛の松山で6年。竹村竜二さんが新天地を求めたのは、本質を追求しながら、つねに変化を重ねていく不易流行の信念があればこそだ。
「総合力」で魅せるコース料理は、名刺がわりの飯蒸しからスタート。旬の食材を贅沢に盛り込みながら、食べ手の心を惹き込む手腕はさすがだ。からすみもちや山椒煮、チーズ寄せなど、日本料理の基本を押さえながら季節を閉じ込めた八寸は、華美ではないがしっかりと舌に佳味の余韻を残す。最後は愛媛時代からの名物、コシヒカリを使った土鍋炊き込みご飯。食材の香りや旨味が凝縮した炊きたてご飯のありがたさが、胸に沁みる。
"和を敬う"店主が紡ぐ、実直な旬味を求めて季節ごとに足を運びたい一軒だ。
東京の〈分とく山〉で野崎洋光氏に師事し、地元・愛媛の松山で6年。竹村竜二さんが新天地を求めたのは、本質を追求しながら、つねに変化を重ねていく不易流行の信念があればこそだ。
「総合力」で魅せるコース料理は、名刺がわりの飯蒸しからスタート。旬の食材を贅沢に盛り込みながら、食べ手の心を惹き込む手腕はさすがだ。からすみもちや山椒煮、チーズ寄せなど、日本料理の基本を押さえながら季節を閉じ込めた八寸は、華美ではないがしっかりと舌に佳味の余韻を残す。最後は愛媛時代からの名物、コシヒカリを使った土鍋炊き込みご飯。食材の香りや旨味が凝縮した炊きたてご飯のありがたさが、胸に沁みる。
"和を敬う"店主が紡ぐ、実直な旬味を求めて季節ごとに足を運びたい一軒だ。

小寺慶子
こでらけいこ ファッション誌、レストラン誌などの編集を経て、フリーのライターに。好きな食べ物は1にも2にも肉料理。塊肉を見ると反射的にアドレナリンが放出!
