FOOD
静岡で、洋食界のレジェンドの力わざにやられるの巻|Pのローカルレストラン探訪
April 11, 2018 | Food, Travel | casabrutus.com | photo_Masahiro Goda text_Michiko Watanabe illustration_Yoshifumi Takeda editor_Ai Sakamoto
えっ? メインはビーフカツとタンシチューの豪華2本立て?
上手いものを知り尽くした老獪な食いしん坊シェフは、どこか悪いとこでも見つけてやろうか、なんて下心でやって来る客を、いともたやすく掌中に絡め取る。うーん、そう来ちゃう? えっ、そんな手もあるの? と、客は次々とその術中にはまってしまうのである。
料理はお任せコースのみ。ランチ3,240円〜の2コース、ディナーは6,000円〜の3コース。せっかく静岡まで来たのだから、はり込んでランチのお高い方に。8品で5,400円。
料理はお任せコースのみ。ランチ3,240円〜の2コース、ディナーは6,000円〜の3コース。せっかく静岡まで来たのだから、はり込んでランチのお高い方に。8品で5,400円。
まず登場する前菜盛り合わせは、6品のプチ料理が並ぶ。テーブルには、ナイフとフォークと箸が置かれ、「召し上がり方はご自由に」という感じ。フィンガーフード的でもある。
でも軽んじてはいけない。ロースハムだって自家製だし、一品一品、丁寧に手がかかっている。これで、かなり飲めそうでもある。2品目は、サワラに菜の花、新タマネギと春の香り満載の洋風茶碗蒸し。温かいもので、ホッとひと心地つく。
でも軽んじてはいけない。ロースハムだって自家製だし、一品一品、丁寧に手がかかっている。これで、かなり飲めそうでもある。2品目は、サワラに菜の花、新タマネギと春の香り満載の洋風茶碗蒸し。温かいもので、ホッとひと心地つく。
3品目は、野菜のサラダ。地元、静岡のアジのマリネがアクセントだ。彩りよく盛りつけられた野菜たちをよーく見ると、ちょっと違っていませんか。何だか、透けて見えるような。しかも色が鮮やかだ。
食べてみると何とパリパリ。カリフラワーなんてコリッコリ。初めての食感だ。実はこれ、「ガストロバック」※というマシンにかけたもの。サラダ革命ともいうべき一品である。食べればわかる。食べてみてね。
食べてみると何とパリパリ。カリフラワーなんてコリッコリ。初めての食感だ。実はこれ、「ガストロバック」※というマシンにかけたもの。サラダ革命ともいうべき一品である。食べればわかる。食べてみてね。
4品目がフグのクリームコロッケ。箸を入れると、サクサクッと香ばしく揚がったパン粉の音がする。これこれ、これが食べたかった。中のクリームは熱々。
クリームコロッケといえばカニでしょ、と思っている方、フグとマッシュルーム、いけます、いけます。レモンをジュッと搾れば、さらに味変。不覚にもここで、感涙しそうなほど感動。ともかく美味いのだ。サクッとトロッの食感にもやられました。
クリームコロッケといえばカニでしょ、と思っている方、フグとマッシュルーム、いけます、いけます。レモンをジュッと搾れば、さらに味変。不覚にもここで、感涙しそうなほど感動。ともかく美味いのだ。サクッとトロッの食感にもやられました。
※気圧の調整により、減圧して沸点を下げることができる減圧加熱調理器。低い温度で野菜に火を入れることが可能となり、食材に高熱によるダメージを与えない。また、出汁や調味液を一緒に入れると、食材に味が染み込みやすくなる。つまりこれ、富士山の頂上など高地では、気圧が低いために100℃以下で水が沸騰するのと同じ原理。レタスなどの葉野菜も驚くほどシャキーンとする。
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P
ぴい 食中心のライター&編集者。「家政婦が見た!」的にこそっと取材したいタチ。原稿を書かなくて済むならどんなに幸せかといつも夢見ている。
