FOOD
話題のカウンター和食〈荒木町 たつや〉へ。|寺尾妙子のNEWSなレストラン
March 20, 2018 | Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
ミシュラン2ツ星和食店から独立! 早くも連日満席が続く〈荒木町 たつや〉をリポートします。
ミシュラン2ツ星和食店〈蓮(れん)〉の料理長が独立。荒木町に店を出したと聞いて、早速予約を入れた。カウンター8席の店は木の風合いを活かしつつ、レトロとモダンをミックスした内装で、店主、石山竜也さんがひとりで料理をつくり、接客もする。
まずはお酒を、とリストをめくると日本酒のほか、日本ワインが揃っていて、希少なものがずらり。最近、流行りのペアリングコースとは違って、料理との相性だけでなく、こちらの飲む量やスピード、好みに合わせてグラスでも出してくれる。合間にビールや日本酒を入れてもいい。自由が効くお酒の合わせ方がとてもよいのだ。
まずはお酒を、とリストをめくると日本酒のほか、日本ワインが揃っていて、希少なものがずらり。最近、流行りのペアリングコースとは違って、料理との相性だけでなく、こちらの飲む量やスピード、好みに合わせてグラスでも出してくれる。合間にビールや日本酒を入れてもいい。自由が効くお酒の合わせ方がとてもよいのだ。
料理は21時までは7,500円〜のおまかせコースのみ。先付「車海老と菜の花の白味噌あんかけ」には山梨〈Kisvin Winery〉の甲州種を使った白。「創業して、まだ今年で5年目のワイナリーのものですが」と注いでくれたワインは一般的な甲州種より香りが際立っていて、しっかりした酸味。仕上げに振った柚子、半生に火を入れた車海老の甘み、葛でとろみをつけた白味噌のあんの味わいに品よく寄り添ってくれる相性だ。
また、「筍とブリの炊いたもの」には掟破りの赤、新潟〈フェルミエ〉のカベルネ・ソーヴィニヨンを。恐る恐る合わせてみると、ブリの血合いやだしの旨みとぴったりで全然、生臭くない。
また、「筍とブリの炊いたもの」には掟破りの赤、新潟〈フェルミエ〉のカベルネ・ソーヴィニヨンを。恐る恐る合わせてみると、ブリの血合いやだしの旨みとぴったりで全然、生臭くない。
さすがのマリアージュは「うちにある日本ワインはすべて、ワイナリーを訪れて取引をお願いしたもの」という石山さんの熱意の賜物だ。この5年ほど、山梨〈ダイヤモンド酒造〉で年初めの剪定から秋の収穫まで、1年を通じて畑作業を手伝いに行くなど、知識や体験とともに生産者とのつながりを深めてもいる。
農作業の大変さを知る石山さんは食材をできる限り、使い倒す。ブリと筍の煮物ならばベースの鰹だしに、筍の皮や切り落とした端の部分を加える。
「生産者の方が一生懸命つくったものを大事にしたいんです。それに一般的には捨ててしまう部位にも、素材の味がちゃんとあるので、だしに入れると旨みが濃くなるんです。その分、調味料は最小限の量で済みます」
「生産者の方が一生懸命つくったものを大事にしたいんです。それに一般的には捨ててしまう部位にも、素材の味がちゃんとあるので、だしに入れると旨みが濃くなるんです。その分、調味料は最小限の量で済みます」
Loading...

寺尾妙子
てらお たえこ 食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。
