FOOD
小寺慶子のレストラン予報|六本木〈エンパイア ステーキハウス ロッポンギ〉
『カーサ ブルータス』2018年1月号より
| Food | RESTAURANT FORECAST | text_Keiko Kodera
六本木に新たなステーキ革命が起こるでしょう。
少し前まで日本人はステーキをシェアするという文化があまりなかった。それが変わったのは、2013年にアメリカ牛の輸入規制が緩和されたことが大きい。以降、T-ボーンやL-ボーンといった骨付きのUSビーフを売りにするステーキハウスが続々と上陸しているが、この10月にオープンした〈エンパイア ステーキハウス ロッポンギ〉もまた、アメリカンステーキ好きには見逃せない存在だ。
USDA(アメリカ農務省)が認定したプライムグレードの牛肉を熟成させ、高温で焼き上げるのはNYステーキの定番だが、チルドのブラックアンガス牛を自家熟成させるのがこの店ならでは。450℃で10分ほど火入れをした後、バターを加えて900℃のオーブンで周りを焼き固める。熱せられたバターの香りと自然な塩味をまとった肉は本来のうま味が十分に引き出されており、熟成香や脂のくどさも皆無で、いくらでも食べられそうだ。何種類かあるステーキの中でもシャトーブリアンとサーロインを同時に堪能できるエンペラーステーキこそがこの店の真骨頂。にぎやかにシェアし、あふれる肉汁と幸福感に酔いしれたい。
〈エンパイア ステーキハウス ロッポンギ〉
東京都港区六本木6-7-11カンデオホテル1F TEL 03 6721 1909。11時30分〜14時LO、17時〜22時30分LO(日・祝〜22時LO。共にフードのLO)。無休。
小寺慶子
こでらけいこ ファッション誌、レストラン誌などの編集を経て、フリーのライターに。好きな食べ物は1にも2にも肉料理。塊肉を見ると反射的にアドレナリンが放出!
