FOOD
フレンチの巨匠、ドミニク・コルビが手がける2軒が四谷・荒木町にデビュー。
| Food | casabrutus.com | Photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
同じビルに誕生した2軒は、2階が日本の食材をふんだんに取り入れた割烹スタイルの〈メゾン・ド・ミナミ フレンチ割烹 ドミニク・コルビ〉、3階がフランス各地の郷土料理を月替りで出す〈シュヴァリエ・デュ・ヴァン ドミニク・コルビ〉。
パリで生まれ、15歳で料理人としてのスタートを切ったドミニク・コルビは〈ホテルニューオータニ東京〉内〈ラ・トゥール・ダルジャン〉エグゼクティブ・シェフを務めたこともある、スーパー・シェフ。今年から、東京の四谷・荒木町にあるビルの2階と3階にできた2軒のフレンチレストランの総料理長に就任し、階ごとに異なる美食の世界を披露している。
2階の〈メゾン・ド・ミナミ フレンチ割烹 ドミニク・コルビ〉では、日本滞在20年以上の間に各地の生産者を訪ね、季節ごとにこれぞと思った素材だけを使う、おまかせコースを提供している。メニューはなく、カウンターがある割烹スタイル。「お昼は何を食べたの?」「お肉が食べたい?」など、ゲストとの会話から献立を決めていく。
魚も野菜もその多くは生産者から直接送ってもらったもの。フランス料理の技法をベースにしながら、バターやクリームを使わず、素材そのものの風味を鮮やかに引き立るのがシェフの狙いだ。「シャラン産鴨のロースト」に添えた、里芋のピュレは驚きのフワフワ食感。とてもクリーミーだが、「バターもクリームも使っていません。ゆでて、ピュレにしただけ。水分が多く、粘り気の少ない福井産の里芋だから、この食感が出るんです」とシェフ。ロースとしただけのシャラン産鴨とともに、素材の強さが心に残る。
「北海道函館のボタン海老と文旦」は、いったん海老のコンソメを引いてから冷やし固めたジュレと、軽くゆでた海老の組み合わせ。フランス料理のテクニックを集大成したジュレの濃縮した味わいと、極力手をかけない、海老そのままのナチュラルな味わい。技と素材、二つの対比に興味がそそられる。
フォーク、ナイフとともにお箸を用意し、日本ワインや日本酒をラインアップ。そこはかとなく和コンシャスながらも、味わいはしっかりフランス料理であるのが、さすがである。
フォーク、ナイフとともにお箸を用意し、日本ワインや日本酒をラインアップ。そこはかとなく和コンシャスながらも、味わいはしっかりフランス料理であるのが、さすがである。
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