FOOD
小寺慶子のレストラン予報|虎ノ門〈天ぷら あらたみかわ〉
『カーサ ブルータス』2024年11月号より
October 13, 2024 | Food | RESTAURANT FORECAST | photo_Yoichiro Kikuchi text_Keiko Kodera
江戸前天ぷらの技を受け継ぐ新店が天高く飛翔するでしょう。
真新しい空間の壁に掛けられた書には粋な人柄を思わせる筆で “免許皆伝” とある。食通の間で天ぷらの神様と呼ばれる〈みかわ是山居〉の早乙女哲哉氏が愛弟子の門出の際にしたためた文字には、次世代の職人にその技が継承される期待と希望が込められているようだ。
今年8月に〈みかわ〉での11年の修業期間を経て、独立。〈天ぷら あらたみかわ〉の店主、小川比佐男氏のおだやかな視線が注がれるのは、油の軽やかな音も耳に心地よい天ぷら鍋だ。
「旦那には天ぷらを揚げる技術だけではなく、仕事との向き合い方も教わった」と人生の師について嬉しそうに話す。実直で誠実な人柄は17,600円で供されるコースの端々に。小麦粉に水と卵を加え “ほどく” ようにしながら溶いた衣を食材にまとわせて、軽やかさとコクを両立させるようにブレンドした油で揚げる天ぷらは海老に始まり、鱚に穴子まで、蒸しと焼きの合わせ技で素材の持ち味を最大限に引き出す。確かな技のもとに新たなかたちで継承される天ぷらが、食べ手の心を高揚させる。
今年8月に〈みかわ〉での11年の修業期間を経て、独立。〈天ぷら あらたみかわ〉の店主、小川比佐男氏のおだやかな視線が注がれるのは、油の軽やかな音も耳に心地よい天ぷら鍋だ。
「旦那には天ぷらを揚げる技術だけではなく、仕事との向き合い方も教わった」と人生の師について嬉しそうに話す。実直で誠実な人柄は17,600円で供されるコースの端々に。小麦粉に水と卵を加え “ほどく” ようにしながら溶いた衣を食材にまとわせて、軽やかさとコクを両立させるようにブレンドした油で揚げる天ぷらは海老に始まり、鱚に穴子まで、蒸しと焼きの合わせ技で素材の持ち味を最大限に引き出す。確かな技のもとに新たなかたちで継承される天ぷらが、食べ手の心を高揚させる。
[予算]20,000円前後
夜のコースは17,600円のみ。日本酒は1合1,100円から。ボトルワインの種類も豊富。
[予約]1か月前から
予約サイトTableCheckにて1か月分の予約を開放。カウンター8席はいずれ争奪戦必至に!?
[ドレスコード]スマートカジュアル
店主の人柄もあって、店はなごやかなムード。その技と心を堪能するべく、スマートな装いで。
〈天ぷら あらたみかわ〉
東京都港区西新橋2-15-6 FACE虎ノ門2F TEL 03 6910 2023。昼は12時か12時30分までに、夜は18時から19時30分までに入店。不定休。
小寺慶子
こでらけいこ 肉を糧に生きる肉食系ライター。趣味は肉旅(ミートリップ)と食べ物回文を考えること。「マンマのトマトのまんま!」(イタリア人のノスタルジー)