FASHION
ロンドンでアズディン・アライアを追悼。訪れるべきはこの2つです。
『カーサ ブルータス』2018年7月号より
| Fashion, Design | a wall newspaper | photo_Miki Yamanouchi text_Megumi Yamashita editor_Yuka Uchida
昨年急逝したアライアが生前企画したロンドンの旗艦店と展覧会。その2つを訪問し、稀なる才能を追悼したい。
前夜までいつものように働いていたアズディン・アライアが自宅兼アトリエで倒れ、帰らぬ人となったのは昨年11月のこと。そんな彼が生前に準備を進めていた旗艦店と展覧会が、ともにロンドンでオープンになった。
デザイナーではない、私はクチュリエである。
デザインミュージアムで開催中の展覧会のタイトルは「ザ・クチュリエ」。「自分はデザイナーではなくクチュリエだ」という彼の口癖をタイトルにしたものだ。
実際、彼は裁断からフィッティングまで、すべて自分の目と手で仕上げることを貫いてきた。その方針は展覧会でも変わりはない。展示は11のカテゴリーにくくられ、背景となる5枚のスクリーンは、アライアと交友があったマーク・ニューソンやコンスタンティン・グルチッチ、公私のパートナーだった画家のクリストフ・フォン・ウェイエらが手がけている。
デザイナーではない、私はクチュリエである。
デザインミュージアムで開催中の展覧会のタイトルは「ザ・クチュリエ」。「自分はデザイナーではなくクチュリエだ」という彼の口癖をタイトルにしたものだ。
実際、彼は裁断からフィッティングまで、すべて自分の目と手で仕上げることを貫いてきた。その方針は展覧会でも変わりはない。展示は11のカテゴリーにくくられ、背景となる5枚のスクリーンは、アライアと交友があったマーク・ニューソンやコンスタンティン・グルチッチ、公私のパートナーだった画家のクリストフ・フォン・ウェイエらが手がけている。
服もすべてアライアが選び、展覧会用の透明なマネキンに合わせて新たに製作されたものだ。「女性を美しく見せること」をひたすら追求し、精巧なカッティングや繊細なディテールで構築された服はまるで“着る彫刻”。西洋的な服作りを踏襲しながら、故郷のアフリカを想起させるディテール、斬新で前衛的な素材やフォルムなど、全く枠にとらわれない創作であることがわかる。80年代にグレース・ジョーンズが着たアイコン的な服なども、今もって大胆かつ斬新だ。アライアの“ボディコン”とは、コルセットなどで身体を締め上げるのではなく、伸縮性のある布などでありのままの身体の美しさを強調し、女性を解放するものだったことが見えてくる。
『Azzedine Alaïa:The Couturier』
オランダのフローニンゲン美術館のマーク・ウィルソンとアライアによる共同企画で、回顧展よりアートインスタレーションを意図した展覧会。クリエイターがデザインした5枚のスクリーンをポイントに11のカテゴリーに分けて展示。〈The Design Museum〉224-238 Kensington High St., London TEL (44)20・3862・5900。10時〜18時(金〜20時)。10月7日まで。入場料16ポンド。
Loading...
