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〈ゼニア〉創業の地、オアジ・ゼニアの森をミラノ本社に再現してアートブック『BORN IN OASI ZEGNA』を展示。

『カーサブルータス』2024年7月号より

July 4, 2024 | Fashion | PR | text_Sanae Sato

〈ゼニア〉創業の地に広がる自然保護区「オアジ・ゼニア」。ブランドの価値観を凝縮したアートブック『BORN IN OASI ZEGNA』の発売を記念し、ミラノ本社が森に変貌する大規模な空間が「ミラノ・デザインウィーク2024」期間中に登場しました。

ヴィア・サヴォーナにある〈ゼニア〉本社に、アルプスに広がる「オアジ・ゼニア」の森が再現された6日間。現地から届いたモクレンの葉が床一面に敷き詰められ、木陰のベンチでくつろげる都会のオアシスに変貌した。

エルメネジルド・ゼニアが立ち上げた最高峰のテキスタイルメーカー、そして現代的なファッションブランドでもある〈ゼニア〉。ウールやカシミヤをはじめとした最高級の天然繊維を世界中から買い付け、自社工場で紡績、染色、仕上げまで手がけている。

イタリアンアルプスに囲まれた町、トリヴェロに設立したウール工場の周囲に、エルメネジルドが木を植え始めたのは1930年代のこと。彼は森林再生に加えて、道路や学校、病院をつくり、地域社会を豊かにするために身を捧げた。

「オアジ・ゼニア」を再現した会場。来場者には書籍のために描き下ろされたイラストがプリントされた限定トートバッグが配られた。

コットン、ウール、木材パルプを含むFSC認証紙に印刷され、グラフィックや製本も凝った作りの一冊。

そんな創業者の意思を代々受け継ぎ約1世紀を経た現在、この一帯は「オアジ・ゼニア」と名づけられ、NYのセントラルパークの約30倍、100平方キロメートルに達する自然保護区になっている。これまでに50万本以上の植林が行われ、多種多様な生態系が育まれる場所へと変貌を遂げた。そこではミネラル豊富な水が森を育み、その水が〈ゼニア〉の最高の天然繊維で作られたテキスタイルを柔らかなものにしているという。

素材に始まり、豊かな自然と切っても切り離せない、テキスタイル。そんな世界を一冊の本にまとめたスペシャルなアートブック『BORN IN OASI ZEGNA』が、この4月に発表された。224ページにわたり、〈ゼニア〉の価値観が生まれた場所である「オアジ・ゼニア」と、そこから生まれる美の秘訣を解き明かす。