FASHION
石田潤の In the mode|キャンペーン・ビジュアルに見るブランド考。
| Fashion, Art | casabrutus.com | text_Jun Ishida editor_Keiko Kusano
ファッションブランドのそのシーズンの気分を一枚の写真で表現してみせるのがコレクション・ビジュアルだ。今回は、発表方法や起用したフォトグラファーで、その個性を一段と際立たせた3つのブランドに注目してみた。
今、ブランドが最も注目しているソーシャルメディアといえば若者を中心に人気のsnapchatだろう。登録したユーザーのみが見れるという閉鎖性が逆にブランドとの結びつきやエクスクルーシブ感を強めるのか、ハイ・ブランドもコレクションのランウェイ動画の配信を中心に積極的に活用し始めている。そうした流れのなかでオッと思わせる展開を見せたのがアレッサンドロ・ミケーレ率いるグッチだ。
Gucci Fall Winter 2016 campaign | Director's Cut
今年4月、グッチのsnapchatアカウント@gucciに、突如2016年秋冬コレクション・ビジュアルを撮影する様子を写した動画が現れた。キャンペーン・モデルのペトラ・コリンズ自らが撮影しアップしたのは、桜咲く東京の風景。日々公開されるスナップチャットの動画に、日本のファッション関係者たちはいったいどこが撮影場所なのかと釘付けになった。そして7月、完成したキャンペーン・ビジュアルがついに公開された。撮影場所には、渋谷交差点や日本家屋といったお馴染みの“TOKYO”のイメージに加えて、デコトラやパチンコ屋が登場。その過剰さがアレッサンドロのハイパーミックスなファッションと相混じり、夢とも現ともつかないファンタジー・ワールドを作り出している。
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石田潤
いしだ じゅん 『流行通信』、『ヴォーグ・ジャパン』を経てフリーランスに。ファッションを中心にアート、建築の記事を編集、執筆。編集した書籍に『sacai A to Z』(rizzoli社)、レム・コールハースの娘でアーティストのチャーリー・コールハースによる写真集『メタボリズム・トリップ』(平凡社)など。
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