DESIGN
山形発、世界標準のセレクト&ライフスタイルショップ〈GEA〉。|行くぜ、東北。
| Design, Fashion, Travel | sponsored | photo_Junpei Kato text_Takahiro Tsuchida
時代を経た石造りの蔵の中には、コンテンポラリーなファッションとインテリアアイテムがたくさん。新しい文化発信スポット、寒河江の〈GEA〉をご紹介。
寒河江(さがえ)市は、山形県のほぼ中央に位置する人口4万人ほどの小さな街。日本一のさくらんぼ産地として知られ、さくらんぼのモチーフが街のいたるところを飾っている。”フルーツライン”の愛称を持つJR左沢(あてらざわ)線の寒河江駅を降りると、歩いて数分で堂々とした石造りの2棟の蔵が姿を現す。これが今年春にオープンした〈GEA〉(ギア)という名のショップだ。
〈GEA〉はファッション棟のGEA#1と、ライフスタイル棟のGEA#2からなる。GEA#1はレディス&メンズのセレクトショップで、メゾン マルジェラ、リック オウエンス、フランク&アイリーンなどの洋服ほか、コディーサンダーソンなどのアクセサリーも扱う。大谷石のテクスチャーを生かしながら、スチールとガラスを多用して2フロアにリノベーションした店内では、フランスで買い付けたアンティーク家具やイタリアの〈ジェルバゾーニ〉のソファをディスプレイ。石造りとはいえ店内の広さは十分で、都心のショップではありえないほどゆったりした空間だ。「世界のどこよりも服が素敵に見えるスペース」を目指している。
この石造りの蔵は、〈GEA〉を運営する佐藤繊維の先々代の代表が倉敷の紡績工場を見て影響を受け、山形市の山寺地区にあった酒蔵を約60年前に移築したもの。以来、紡績やニットの工場として使われ、近年は倉庫になっていた。GEA#1の店内では、その工場の設備だった全長9mほどの紡績機を什器代わりにしている。佐藤繊維の現在の社長の佐藤正樹さんは4代目。彼が作り出す糸やニットはきわめてオリジナリティーに富み、一流メゾンのコレクションにも使われている。世界の先端を行くブランドやショップを見てきた彼の価値観とセンスが〈GEA〉のいたるところに発揮された。
GEA#2は天井が高く、ニューヨーク風のオープンでインダストリアルな空間。定番的な日用品、山形はじめ日本の作家のテーブルウェア、BACHが選んだ書籍などが並ぶ。天童木工の家具も扱っていて、張地は佐藤繊維のオリジナルのファブリックを選べる。一般的な家具メーカーの張地にはない、個性的な色合いや高度な織りが特徴だ。またカフェコーナーのコーヒーは、山形を代表するロースターのオーロラコーヒーから仕入れている。今年の夏には地元で作るパンやジャムの扱いも始めるという。蕎麦、ワイン、野菜、牛肉など、山形は食文化もきわめて豊かなところ。その恵みを生かし、今後はレストランのオープンも視野に入れている。
〈GEA〉は、東北の風土の豊かさと、佐藤繊維という会社の歴史を、コンテンポラリーな視点で解釈し直したショップと言えそうだ。佐藤正樹さんは、ここを「トレンドに左右されない、世界から人が来る場所にしたい」と話す。自分たちの文化を長い時間軸でとらえ、次の時代へ進めていこうというスタンスが魅力的。訪れるだけで、とてもいい体験をした気持ちになれるスペースだ。
アクセス
東京駅から山形新幹線で山形駅まで約2時間50分。JR左沢線寒河江駅より徒歩3分。
びゅう公式サイト:東北の宿と列車のきっぷを探そう!
