DESIGN
椅子が社会に与えた影響力とは?
| Design, Travel | casabrutus.com | text_Yumiko Urae
〈Vitra Schaudepot〉では歴史を遡り、椅子と歴史、富、権力、民衆の力などの関係をユニークな切り口で考察する展覧会『Seats of Power』がスタートします。
欧州でも一般の家庭に椅子が流通したのはそう昔のことではないそうだ。ミヒャエル・トーネットが曲げ木の技術を用いて大量生産をしたのが200年前のこと。その後、社会の民主化によって、椅子はようやく私たちの生活に身近なものとなっていった。さらに遡ると中世においては、王座という言葉があるように、椅子は王位についたものが座るという権力の象徴に繋がっており、長い間、支配層の持ち物であった。
近年では、ニューヨーク国連常任理事会のための椅子、《イーストリバー・チェア》が女性プロダクト・デザイナー、ヘラ・ユンゲリウスによって設計されるなど、椅子が男女平等や民主主義やマイリティーの象徴、メッセージ性の高いアート・オブジェクトとして社会に広がることもある。
本展では、単なる家具に留まらない椅子の歴史を振り返りながら、ローマ法王のためにつくられた王座など、〈ヴィトラ〉が所有する歴史的なストーリーのある椅子20点が展示される。その他にも、《バルセロナ・チェア》が登場する『007』のスチール写真や国連の会議室の写真などを例に挙げ、椅子が人々の営みや文化に与えてきた影響を様々な面から鑑賞することができる。
近年では、ニューヨーク国連常任理事会のための椅子、《イーストリバー・チェア》が女性プロダクト・デザイナー、ヘラ・ユンゲリウスによって設計されるなど、椅子が男女平等や民主主義やマイリティーの象徴、メッセージ性の高いアート・オブジェクトとして社会に広がることもある。
本展では、単なる家具に留まらない椅子の歴史を振り返りながら、ローマ法王のためにつくられた王座など、〈ヴィトラ〉が所有する歴史的なストーリーのある椅子20点が展示される。その他にも、《バルセロナ・チェア》が登場する『007』のスチール写真や国連の会議室の写真などを例に挙げ、椅子が人々の営みや文化に与えてきた影響を様々な面から鑑賞することができる。
『Seats of Power展』
〈Vitra Shaudepot〉
Vitra Design Museum Charles-Eames-Str. 2 D-79576 Weil am Rhein Germany。11月19日〜2019年2月17日。10時〜18時。12月24日10時〜14時。無休。
