DESIGN
ポール・スミスが語る、新しいテキスタイルと名作家具の世界。
October 11, 2018 | Design, Fashion | casabrutus.com | photo_Ayumi Yamamoto text_Hisashi Ikai editor_Keiko Kusano
ハーマンミラーから登場した、ポール・スミス×マハラムの新しいコレクション。来日したポール・スミスに、コレクションに隠された思いを聞いた。
新鮮な色合いとストライプパターン、そしてテーラードを掛け合わせ、独自のデザインを生み出すポール・スミス。ファッションデザイナーとして知られる彼だが、アメリカのインテリアテキスタイルブランド、マハラムとのコラボレーションは、実は2002年にまでさかのぼる。
「きっかけは、ロンドンのデザインミュージアムに展示されていたジオ・ポンティのテキスタイル『I Morosi alla Finestra(窓辺の恋人たち)』を見たことでした。布にランダムに配置されているモチーフ。またその色合いがあまりにも鮮やかで、目を奪われ、こんなパターンをどのように作っているのかと、メーカーであるマハラムに興味を持ちました」
マハラムが、なぜこれほどまでに芸術的なテキスタイルを実現可能なのか。一緒に仕事をしはじめてすぐに、その理由が分かったという。
「当時のCEOだったマイケル・マハラムは、ものづくりに対する熱い情熱を持つ完璧主義者で、何事においても最高を求め、まっすぐに突き進む人物でした。彼の思想は社内にしっかりと浸透しており、少しばかり難しいと思われる提案を投げかけても、常に予想を超える回答が返ってくる。デザイナーとしては実にチャレンジングで、毎回仕事をするのが楽しみで仕方がないパートナーなんです」
「当時のCEOだったマイケル・マハラムは、ものづくりに対する熱い情熱を持つ完璧主義者で、何事においても最高を求め、まっすぐに突き進む人物でした。彼の思想は社内にしっかりと浸透しており、少しばかり難しいと思われる提案を投げかけても、常に予想を超える回答が返ってくる。デザイナーとしては実にチャレンジングで、毎回仕事をするのが楽しみで仕方がないパートナーなんです」
ポール・スミスの軸足はあくまでもファッションにあるが、同じ布地でもファッションとインテリアでは、デザインの組み立て方は違うのだろうか。
「人間の身体はそう大きくは変わるものではありませんが、家具や空間はとても複雑で、ボリュームも大きいため、パターンを考えるのはひと苦労。さらにインテリアテキスタイルに求められる耐久性は非常に厳しいため、クオリティコントロールも大変。企画から発表するまで1〜2年と、かなりの時間を要します」
「人間の身体はそう大きくは変わるものではありませんが、家具や空間はとても複雑で、ボリュームも大きいため、パターンを考えるのはひと苦労。さらにインテリアテキスタイルに求められる耐久性は非常に厳しいため、クオリティコントロールも大変。企画から発表するまで1〜2年と、かなりの時間を要します」
15年以上続くポール・スミスとマハラムのコラボレーションから生まれたテキスタイルの数々を、ハーマンミラーの代表的な家具に落とし込んでいった今回のコレクション。
「これまでにも家具の張り地を手がけたことはありますが、イームズの《シェルチェア》をはじめ、ウォード・ベネットの《エンベロップチェア》やジョージ・ネルソンの《マシュマロソファ》など、デザイナーなら誰しも一度は憧れたことのある名作に自分のファブリックが採用されるなんて、まるで夢のようです」
「これまでにも家具の張り地を手がけたことはありますが、イームズの《シェルチェア》をはじめ、ウォード・ベネットの《エンベロップチェア》やジョージ・ネルソンの《マシュマロソファ》など、デザイナーなら誰しも一度は憧れたことのある名作に自分のファブリックが採用されるなんて、まるで夢のようです」
すでに自身も巨匠と呼ばれる領域に達しているポール・スミスが、きらきらと目を輝かせ、興奮気味に話す様子を見ていると、いかにこのコラボレーションが充実した内容なのかを想像することができる。
●10月21日までハーマンミラーストアにて、特別展『Paul Smith & Maharam for Herman Miller Collection』を開催中。その後、Paul Smithショップを巡回予定。
Paul Smith & Maharam for Herman Miller Collection
〈ハーマンミラーストア〉東京都千代田区丸の内2-1-1 丸の内MY PLAZA。〜10月21日。11時30分〜20時。TEL 03 3201 1820。会期中無休。