DESIGN
ロン・アラッド「普通じゃなくたっていいじゃない!」展
『カーサ ブルータス』2018年7月号より
| Design, Travel | a wall newspaper | text_Yumiko Urae
車の座席シートをレディーメイドで椅子にしてしまったり、一枚のステンレスを曲げて本棚を作ったりと、自由で有機的なフォルムの家具を作り上げてきたロンドン在住のイスラエル人デザイナー、ロン・アラッド。
「普通じゃなくたっていいじゃない!」という副題の通り、型にはまらず、アートとデザインの境界線上で活躍する彼の個展が、〈ヴィトラ・キャンパス〉内の〈シャウデポ〉で開催中だ。
初期の《ローバーチェア》や《ビッグイージー》を筆頭に、1点モノから大量生産のプロダクトまで、彼の生み出してきた革新的な家具の試作や草案が展示される。ハイライトは1987年に制作した《スティックス&ストーンズ》と称するマシーン。近年修復された作品で、椅子を飲み込むようにコンベヤー用ベルトで梱包してしまう、商業主義への皮肉とデザイナーへの問いかけを表現しているアートピースだ。彼が時代を象徴するデザイナーであることを改めて確認できる充実した展示だ。
〈Vitra Schaudepot〉Charls-Eames-Str.2 D-79576 Weil am Rhein〜10月14日。10時〜18時。無休。8ユーロ。
