DESIGN
古今東西 かしゆか商店【藍染め和紙】
『カーサ ブルータス』2018年7月号より
June 8, 2018 | Design, Travel | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu hair &make_Masako Osuga editor_Masae Wako translation_Mika Yoshida & David G. Imber
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける店主・かしゆか。第三回は、阿波和紙の産地である徳島へ。手漉き和紙を天然の藍で染めていく、藍染め和紙のうちわを見つけた。
美しい伝統工芸に出会いたい。そう思ってこの店を始めた店主のかしゆかです。近ごろ興味があるのは、伝統の技術を守りながらも、自由な発想や工夫を大事にしている手仕事。つくり手の「もっといいものをつくりたい!」という強い想いに、胸を打たれます。
かつて阿波と呼ばれた徳島県は、江戸時代から和紙づくりや藍の生産で栄えてきた土地。今回の訪問先は、この町に今も残る数少ない阿波和紙工房〈アワガミファクトリー〉です。楮や三椏で和紙をつくるだけでなく、その和紙を染めたり和紙の文房具をつくったりしていますが、中でも私が胸を撃ち抜かれたのは、手漉きの和紙を藍で染める「藍染め和紙」。まわりに青色はたくさんあるけれど、天然の藍で染めるブルーはとてもやわらかくて特別で、吸い込まれるような温かみがあるんです。
まずは染師の藤森美恵子さんの仕事を見せてもらいました。染めの原料は藍の葉を発酵させた「すくも」。すくもの染液に和紙を浸して染め始めます。和紙をロープで吊し、ゆっくり浸すこと10数分。静かに引き上げると、藍色……ではなく茶色っぽい和紙が現れました。この和紙が空気に触れると藍の発色が始まるのだとか。シャワーで表面のアクを洗い流すと、みるみるうちにブルーに変わった!! 目がくぎ付けになるってこういうこと? 鮮やかで、でもやさしい藍色です。藤森さんも「藍の色っていいわよねえ」としみじみ嬉しそう。深い愛情を感じました。
まずは染師の藤森美恵子さんの仕事を見せてもらいました。染めの原料は藍の葉を発酵させた「すくも」。すくもの染液に和紙を浸して染め始めます。和紙をロープで吊し、ゆっくり浸すこと10数分。静かに引き上げると、藍色……ではなく茶色っぽい和紙が現れました。この和紙が空気に触れると藍の発色が始まるのだとか。シャワーで表面のアクを洗い流すと、みるみるうちにブルーに変わった!! 目がくぎ付けになるってこういうこと? 鮮やかで、でもやさしい藍色です。藤森さんも「藍の色っていいわよねえ」としみじみ嬉しそう。深い愛情を感じました。
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