DESIGN
ミラノサローネ2018報告 #4 / 復刻 by 田代かおる
『カーサ ブルータス』2018年7月号より
June 3, 2018 | Design, Architecture, Art | illustration_ Yoshifumi Takeda text_Kaoru Tashiro
年に一度、4月のミラノはお祭り騒ぎ! 世界の家具メーカーが一斉に新作を発表します。今年、4人のジャーナリストがそこで見つけたものは…? 最後はミラノ在住、イタリアデザインの全盛期を築いたマエストロたちへの取材経験も豊富なデザインジャーナリストの田代かおる。「リプロダクションは熟成期へ突入。今、老舗デザインメーカーはアーカイブ発掘に熱心です。知られざる名作やストーリーとあちこちで出会える、復刻ハンティングはやっぱりやめられません!」
Paolo Tilche
復刻の話題に事欠かなくなった近年のミラノ・デザインウィーク。今年も数多のリエディションに心を掴まれた。特筆したいのは、現代の記憶からこぼれ落ちてしまったデザイナーたちの復権だ。例えば、〈デパドヴァ〉は、他社〈ボナチーナ1889〉のアーカイブから、パオロ・ティルケとモンティ兄弟を。また〈B&B〉は、カッチャ・ドミニオーニの家具のセレクションを復刻し、表舞台に持ち上げた。
巨匠の名作復刻も歓迎。でも歴史を掘り起こすなら、今あえて見直したい作品をメーカーに選んでほしい。リエディションとはコレクターズアイテムではなく、実はデザインのルーツを辿って未来に向かうための作業だから。
巨匠の名作復刻も歓迎。でも歴史を掘り起こすなら、今あえて見直したい作品をメーカーに選んでほしい。リエディションとはコレクターズアイテムではなく、実はデザインのルーツを辿って未来に向かうための作業だから。
Le Corbusier, Charlotte Perriand
Yngve Ekström
Frank Lloyd Wright
Fratelli Monti
Gianfranco Frattini
Gino Sarfatti
Antonio Bonet, Juan Kurchan &Jorge Ferrari Hardoy
Gio Ponti
Luigi Caccia Dominioni
田代かおる
ミラノと東京を拠点にするデザイン&建築ライター。ジオ・ポンティの建築を紹介する『建築の皮膚と体温』(LIXIL)展などキュレーションも手がける。現在、日本のデザインアーカイブを構想中。