DESIGN
南貴之×佐々木一也 新しい”市場”の作り方。
『カーサ ブルータス』2018年6月号より
| Design, Food | a wall newspaper | photo_Keisuke Fukamizu text_Toshiya Muraoka
市場をさまよい歩くように買い物を楽しめる空間が〈東京ミッドタウン日比谷〉に誕生。仕掛け人の思いは?
人々がそれぞれの目的に合わせて交錯する。〈東京ミッドタウン日比谷〉という商業施設の3階にありながら、市場のような混沌を生み出すべく〈ヒビヤ セントラル マーケット〉は設計されている。手がけたのはクリエイティブディレクター南貴之とインテリアデザイナー佐々木一也。フロアを回遊しながら話を聞いた。
南貴之(以下南) 数字で区切ってしまうと面白くないので、本当の町を作るみたいに、道を作って、区画を作って、それから店が何店舗入るのかって考えていった。効率は考えずに自然の流れを再現しているというか。
佐々木一也(以下佐々木) そのために最初の設計図はフリーハンドで描きましたよね。境界が曖昧で、なんとなく通れるスペースはあるけれど、店の外にも物が飛び出しているような市場のイメージ。
南 単純にやってみたかったから、理容室と眼鏡店は決めていた。それはただただやりたかったから。いつもそうですけど、あんまり理詰めで考えない(笑)。だから入口の一番目立つ場所に、一番高額で買いづらいヴィンテージの眼鏡屋さんが入ってるという。
南貴之(以下南) 数字で区切ってしまうと面白くないので、本当の町を作るみたいに、道を作って、区画を作って、それから店が何店舗入るのかって考えていった。効率は考えずに自然の流れを再現しているというか。
佐々木一也(以下佐々木) そのために最初の設計図はフリーハンドで描きましたよね。境界が曖昧で、なんとなく通れるスペースはあるけれど、店の外にも物が飛び出しているような市場のイメージ。
南 単純にやってみたかったから、理容室と眼鏡店は決めていた。それはただただやりたかったから。いつもそうですけど、あんまり理詰めで考えない(笑)。だから入口の一番目立つ場所に、一番高額で買いづらいヴィンテージの眼鏡屋さんが入ってるという。
佐々木 いわゆるパッと見て、すぐ選べるという眼鏡店ではないから、銀行のように対面接客する空間であるということが伝わるように考えましたね。隣は〈グラフペーパー〉の白壁がキレイな空間で、さらに昭和の理容室が続く。テイストもバラバラなのは、全体の統一感を考えちゃうと面白くないし、いろいろなものが集まっているからこそマーケットだろうと。
南 理容室は、佐々木君のこだわりが爆発していて、本当に素晴らしいものになっていると思う。
南 理容室は、佐々木君のこだわりが爆発していて、本当に素晴らしいものになっていると思う。
佐々木 子どもの頃に見た近所の理容室がモデル(笑)。でも、誰もが思い描く理容室になっていると思います。看板は廃業された店舗からいただいてきて付けました。
南 余計なエイジングもかけていないから、忠実な再現なんだけど、でも、どこかモダンなんだよね。
佐々木 例えば、壁紙は実はイギリスの現行のものなんですよね。今ある材料で真面目に作っているから、今あってもおかしくないものになっているんだと思います。
南 キオスクもそう。
佐々木 元々はプルーヴェの小屋のようなものを考えていたけれど、どうもカッコよすぎると。そういえば、子どもの頃に見た、今はなき盛岡バスセンターってどんな感じだったっけって。
南 写真を見せてもらって即決だった。コーヒーショップも文房具も、全部ごちゃ混ぜにして並べられるなって。どこかで見たことがあるんだけど、まったく見たことのないものになっているよね。
佐々木 記憶の片隅にあったものを組み合わせて作っているような感覚はありますよね。
南 余計なエイジングもかけていないから、忠実な再現なんだけど、でも、どこかモダンなんだよね。
佐々木 例えば、壁紙は実はイギリスの現行のものなんですよね。今ある材料で真面目に作っているから、今あってもおかしくないものになっているんだと思います。
南 キオスクもそう。
佐々木 元々はプルーヴェの小屋のようなものを考えていたけれど、どうもカッコよすぎると。そういえば、子どもの頃に見た、今はなき盛岡バスセンターってどんな感じだったっけって。
南 写真を見せてもらって即決だった。コーヒーショップも文房具も、全部ごちゃ混ぜにして並べられるなって。どこかで見たことがあるんだけど、まったく見たことのないものになっているよね。
佐々木 記憶の片隅にあったものを組み合わせて作っているような感覚はありますよね。
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