DESIGN
Mr. バウハウス! マルセル・ブロイヤーの家具デザイン。
| Design | casabrutus.com | photo_Shin-ichi Yokoyama text_Hisashi Ikai editor_Keiko Kusano
東京国立近代美術館で開催中の『マルセル・ブロイヤーの家具:Improvement for good』の見どころを紹介します!
近代デザインの礎を築いたドイツの造形学校、バウハウスの家具工房の一期生であり、デッサウ移転後の同校で教鞭も執ったマルセル・ブロイヤー。産業の発展や新しい暮らしのスタイルなど、人々を取り巻く環境が著しく変化するなか、独自のデザイン理論を打ち立てたブロイヤーは、まさしくモダニズムの先駆者とも呼べるだろう。
そんなブロイヤーにフォーカスした展覧会『マルセル・ブロイヤーの家具:Improvement for good』が、東京国立近代美術館のギャラリー4で開催中だ。
そんなブロイヤーにフォーカスした展覧会『マルセル・ブロイヤーの家具:Improvement for good』が、東京国立近代美術館のギャラリー4で開催中だ。
必見なのは、世界初の住居用スチールパイプ椅子とも言われる〈ワシリーチェア〉の原型となった〈クラブチェア B3〉だ。1925年〜28年にかけて生産された初期モデル4つが並んでいるが、それぞれを比較してみると、パイプの接合が溶接からビス式に変更したり、背面上部にパイプを伸ばして運びやすくするなど、その進化の過程を読み解くことができる。
これと連動するように、同じ展示台にはブロイヤーが開発したパイプ家具のバリエーションを紹介。いかに新素材の登場がデザインに自由度を与え、暮らしのシーンに大きく変えていったのかが伺える。
さらに同展では、ブロイヤーがバウハウスの学生時代に制作したアームチェアやドレッサーを展示。そして、1930年代前半に活動の拠点にしたスイスやイギリスでは、アルミニウムやプライウッドの家具の製造にもチャレンジ。効果的なデザインをほどこすことでいかに新しい素材の特性を引き出し、次なる時代の家具が生み出せるかに尽力した。展示作品の一つひとつを見ても、実験的な試みを現代でも通用するような普遍的な表現に転換していることがよく分かる。
Loading...
