DESIGN
全国で紡いだ布が、磯崎新の建築を埋め尽くす。〈水戸芸術館現代美術ギャラリー〉で須藤玲子の個展が開催。
『カーサ ブルータス』2024年4月号より
March 12, 2024 | Design | a wall newspaper | photo_Masanori Kaneshita text_Housekeeper
テキスタイルデザイナー・須藤玲子の展覧会が磯崎新設計の〈水戸芸術館現代美術ギャラリー〉で始まりました。
テキスタイルデザイナー、須藤玲子の大規模個展が〈水戸芸術館現代美術ギャラリー〉で始まった。本展は2019年に香港のアートセンター〈CHAT〉で企画された展示が、須藤の出身地でもある茨城県に巡回したもの。元ライゾマティクス・アーキテクチャーで現パノラマティクスを主宰する齋藤精一をアーティスティック・ディレクターに迎え、須藤がデザインしたテキスタイルが、どのような製造工程を経て生み出されるかを最新技術を用いたインスタレーションで展示する。目玉となるテキスタイルの鯉のぼりは、展示空間のデザイン等で国際的に知られるアドリアン・ガルデールが手がけた。
「世界各地を回って制作した布の数は3700点に及びます。そのうち代表作のアーカイブとして444枚の布地をパッチワークしました。私たちのテキスタイルづくりは、ひとりではできなくて、糸をつくる人、染める人、織る人、仕上げる人、そして補正をして縫う人、いろんなかたちで多くの方々の手を経て仕上がっている。それがこの展覧会で一番伝えたかったことです」と須藤。展示では実際に一つひとつの布を触って感触を体感することができるパネルも並んでいる。
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