DESIGN
【今週の花と器】みかんと〈ヘイ〉の《ジェシカ ハンス ベース》|1月
January 1, 2024 | Design | casabrutus.com | photo_Yuki Kumagai styling_Yumi Nakata text_Yoshikatsu Yamato
謹賀新年。1月1週目の担当はギャラリーを併設した外苑前の花屋〈ボイス〉のオーナー香内斉さん。こたつや食卓に積み上げておくと、つい何個も食べてしまうみかん。昔から縁起物として知られ、鏡餅やしめ縄に飾る冬の風物詩を活けてみませんか。カラフルなハンドペインティングが祝祭的なムードを高めてくれる器と、晴れやかな橙色で、実りのある1年がはじまります。
こたつでみかん。お正月と聞いてパッと思い浮かぶシーンです。あとはやはり鏡餅でしょうか。今回の器は、形づくりから着色まで、すべて手作業でつくられているそう。手でこねたような形や白という色がお餅を想像させたので、きっとみかんは合うだろうと。大喜利みたいですね(笑)。こんなふうに、思い浮かんだ季節のイメージやイベントから言葉で連想をはじめて、アレンジのヒントにするのは楽しいと思います。
活ける際のポイントとしては、今回、葉っぱを間引きました。葉っぱが落ちて、熟した実だけが枝に残る、冬らしいみかんの見え方にしようと思ったからです。茎についた葉は摘み取り、実の近くには残しています。みかんを絵に描くとき、葉があると「みかんらしさ」が出ますよね。実をしっかりと見せて、それが冬の風景へつながっていくようなあり方に整える。こうして、まず見せ方を考えて自然に手を加えるのは、生け花のアプローチに近いかもしれません。とはいえ、ストイックにはなりすぎず、みかんといえば、という印象も大切にしました。
器の特徴である、ポップな絵つけには浮遊感があります。なので、みかんも浮かんでいるように見えたらいいなと思いました。これで葉っぱが沢山ついていると、ちょっと要素が多い。正月を彩るにぎやかなムードがありながらも、清々しい冬の空気に寄り添う静けさも欲しかった。お正月にみかん。とてもストレートな選択ですし、茶目っ気を出しつつも、どこか静謐な佇まいにまとめるのが〈ボイス〉らしい提案かもしれません。
活ける際のポイントとしては、今回、葉っぱを間引きました。葉っぱが落ちて、熟した実だけが枝に残る、冬らしいみかんの見え方にしようと思ったからです。茎についた葉は摘み取り、実の近くには残しています。みかんを絵に描くとき、葉があると「みかんらしさ」が出ますよね。実をしっかりと見せて、それが冬の風景へつながっていくようなあり方に整える。こうして、まず見せ方を考えて自然に手を加えるのは、生け花のアプローチに近いかもしれません。とはいえ、ストイックにはなりすぎず、みかんといえば、という印象も大切にしました。
器の特徴である、ポップな絵つけには浮遊感があります。なので、みかんも浮かんでいるように見えたらいいなと思いました。これで葉っぱが沢山ついていると、ちょっと要素が多い。正月を彩るにぎやかなムードがありながらも、清々しい冬の空気に寄り添う静けさも欲しかった。お正月にみかん。とてもストレートな選択ですし、茶目っ気を出しつつも、どこか静謐な佇まいにまとめるのが〈ボイス〉らしい提案かもしれません。
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