DESIGNPR
小鹿田焼・坂本創と〈T-HOUSE New Balance〉とのコラボレーションが完成。
ムック『T-HOUSENEWBALANCEを知っていますか。』より
October 16, 2023 | Design, Fashion | photo_Kohei Omachi editor_Yoshinao Yamada
〈T-HOUSE New Balance〉の次なるコラボレーターは、歴史ある産地、小鹿田(おんた)の未来を担う一人、坂本創だ。どのようなものづくりになったのか、現地で話を聞いた。
ニューバランスのものづくりは「用の美」の考えに通じる。
小鹿田。うつわが好きで、この難読地名を読めない人はいないだろう。柳宗悦が『民藝紀行』のなかで、誰にも読めぬ地名が今では多くの人の口に上るまでに至ったと書いた小鹿田焼。江戸時代中期の1705年に大分県日田市皿山で開窯し、320年近い歴史をもつ産地だ。日田の中心を走る幹線道路から山間の道を抜けた先にある小さな集落で、黒木、柳瀬、坂本、小袋の4家を中心に一子相伝の世襲制が守られ昔と変わらない技法と伝統が受け継がれている。
1995年には国の重要無形文化財保持団体の指定も受けた技法で、伝統を見据えながら自身の創作に邁進するのが〈坂本工窯〉の坂本創だ。
小鹿田の集落に入ると、その中心を流れる川の水を利用して陶土を砕く唐臼の姿が目に入る。川から水を引き、その力を利用して唐臼の杵が陶土を突く姿は歴史を感じさせるもの。臼を突く音とせせらぎが響き渡る風景は、柳やバーナード・リーチの心をも掴んだ。土作りから窯出しまで、「今も機械化せずに人の手で作るところが、他にない小鹿田焼の魅力だと思います」と坂本は言う。
小鹿田。うつわが好きで、この難読地名を読めない人はいないだろう。柳宗悦が『民藝紀行』のなかで、誰にも読めぬ地名が今では多くの人の口に上るまでに至ったと書いた小鹿田焼。江戸時代中期の1705年に大分県日田市皿山で開窯し、320年近い歴史をもつ産地だ。日田の中心を走る幹線道路から山間の道を抜けた先にある小さな集落で、黒木、柳瀬、坂本、小袋の4家を中心に一子相伝の世襲制が守られ昔と変わらない技法と伝統が受け継がれている。
1995年には国の重要無形文化財保持団体の指定も受けた技法で、伝統を見据えながら自身の創作に邁進するのが〈坂本工窯〉の坂本創だ。
小鹿田の集落に入ると、その中心を流れる川の水を利用して陶土を砕く唐臼の姿が目に入る。川から水を引き、その力を利用して唐臼の杵が陶土を突く姿は歴史を感じさせるもの。臼を突く音とせせらぎが響き渡る風景は、柳やバーナード・リーチの心をも掴んだ。土作りから窯出しまで、「今も機械化せずに人の手で作るところが、他にない小鹿田焼の魅力だと思います」と坂本は言う。
坂本と〈T-HOUSE New Balance〉によるコラボレーションの経緯は、共通の友人を介したモリタニシュウゴとの出会いから生まれた。そのものづくりに共鳴した坂本は、面白いと理屈抜きにオファーを受けたという。「今回に限らず、こうした形で制作するときは受けたあとに葛藤が始まるんです」と笑う。
ニューバランスとともに作り上げるうつわで表現すべきはなにか。坂本は、通常の制作や生活のふとした時間のなかで足し引きのアイデアが生まれるという。普段の制作ではできないこと、やってみたいことを頭の片隅にいつも残し、やがてなにかの形で表現したい。納得のいく形にするまでには時間を要するが、そうしたアイデアは常にストックする。
「コラボレーションのときは、その先にいる人物像を思い浮かべながら考えることも多いですね。そして依頼先のもつ期待値を超えるものを形にしたい。時間と手間暇をかけることが大切です」
ニューバランスとともに作り上げるうつわで表現すべきはなにか。坂本は、通常の制作や生活のふとした時間のなかで足し引きのアイデアが生まれるという。普段の制作ではできないこと、やってみたいことを頭の片隅にいつも残し、やがてなにかの形で表現したい。納得のいく形にするまでには時間を要するが、そうしたアイデアは常にストックする。
「コラボレーションのときは、その先にいる人物像を思い浮かべながら考えることも多いですね。そして依頼先のもつ期待値を超えるものを形にしたい。時間と手間暇をかけることが大切です」
Loading...