DESIGN
【今週の花と器】パフィオペディラムと〈カズナガサカシタ〉の《シャロウズ》|8月
August 21, 2023 | Design | casabrutus.com | photo_Shusaku Yoshikawa styling_Yumi Nakata text_Yoshikatsu Yamato
8月3週目の担当は、ショップを持たないアトリエスタイルの花屋〈フィオーレ・ソフィッタ〉で活動する三嶋春菜さん。あまりの暑さと蒸した空気で気分もだらっとしてしまう季節には緊張感漂うモダンな生け花にトライしてみませんか。表面張力を発生させるクリスタルの花器に、渋い色合いと個性派な造形が魅力のパフィオペディラムを組み合わせました。
暑い季節でも長持ちする花は、飾っている間に見た目の変化がそれほど起きない種類が多いかもしれません。花びらが咲いて朽ちていくプロセスを楽しむというよりは、きりっとした存在感がキープされる花が8月にはぴったり。ということで選んだパフィオペディラムは、蘭の一種です。豪華なビジュアルで値段はけっこうお高いのですが、暑さにつよくて花持ちが良いので長く楽しめますよ。
変化がないといっても、形だったり色などディティールは盛りだくさん。細かい斑点もあってキャラはだいぶ強めです(笑)。じーっと見ていても見飽きません。袋状になっている花びらの一部は「唇弁」と呼ばれていて、名前の通り口のようで「顔」を感じます。一輪一輪のキャラ立ち感を活かしたほうがいいのと、角度によって変わる表情も見せたいので、集合させたり、重ねるのではなく、それぞれの人格が独立して感じられるよう長さや向きは変えました。
器は、水を入れると表面張力が起きてピタッと静止した水面が綺麗です。個人的な感覚ですけど、夏に欲しくなるような「涼感」って、そよそよ揺れていたり、動いているイメージが強かったんです。でも今回、このピタッと止まった姿も夏にいいなあ、と思いました。浴衣の帯をくっと締めて汗が引く。氷を触ったときのヒヤっとする一瞬。そういう「瞬間的な涼感」が夏にはある。こんなにも暑いと気持ちもだらだらっとしてしまいがちですが、表面張力の緊張感とパフィオペディラムの自立したキャラとがマッチして、心地よい緊張感が漂う組み合わせになったなと思います。
変化がないといっても、形だったり色などディティールは盛りだくさん。細かい斑点もあってキャラはだいぶ強めです(笑)。じーっと見ていても見飽きません。袋状になっている花びらの一部は「唇弁」と呼ばれていて、名前の通り口のようで「顔」を感じます。一輪一輪のキャラ立ち感を活かしたほうがいいのと、角度によって変わる表情も見せたいので、集合させたり、重ねるのではなく、それぞれの人格が独立して感じられるよう長さや向きは変えました。
器は、水を入れると表面張力が起きてピタッと静止した水面が綺麗です。個人的な感覚ですけど、夏に欲しくなるような「涼感」って、そよそよ揺れていたり、動いているイメージが強かったんです。でも今回、このピタッと止まった姿も夏にいいなあ、と思いました。浴衣の帯をくっと締めて汗が引く。氷を触ったときのヒヤっとする一瞬。そういう「瞬間的な涼感」が夏にはある。こんなにも暑いと気持ちもだらだらっとしてしまいがちですが、表面張力の緊張感とパフィオペディラムの自立したキャラとがマッチして、心地よい緊張感が漂う組み合わせになったなと思います。
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